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2022.7.30

登山中、野生の子鹿に遭遇!?鹿の生態系を理解して正しい行動を取ろう


目次

6月の頭に、岐阜県と滋賀県の県境に位置し日本百名山の一つでもある伊吹山に日帰り登山をしてきました。

下山時にどこからか「クーンクーン」と鳴き声が聞こえてきて、ふとみると目の前の草むらにニホンジカの子供うずくまっていたのです。

「親とはぐれちゃったのかな?怪我して弱っているのかな?え…こんな時、どうしたらいいの??」と、つい動揺してしまいました。

あとで知りましたが、よく山に行かれる方にとっては、こういった光景は珍しくないようです。

そこで本記事では、鹿の生態系、そしてあなたが茂みの中でうずくまっている子鹿に遭遇した時に気をつけるべきことをご紹介します!

5〜7月はニホンジカの出産シーズン!

画像:写真AC

まず、鹿の生態系について見ていきましょう。

今回私が遭遇したのはニホンジカの赤ちゃんと思われます。

ニホンジカは北海道から九州まで、ほぼ日本全土に広く生息しています。学名はCervus Nipponですが、日本だけでなく、北東アジアから東アジア、インドシナ半島にも生息しているようです。ニホンジカの分布域は年々拡大しており、最近では北陸地方や東北地方でも頻繁に目撃され、2050年には生息分布確率50%以上の地域が日本全土の90%を超えることが想定されているとか。

ニホンジカは10〜11月に繁殖期を迎え5〜7月に出産します。1歳の秋には成熟し2歳で出産、妊娠率が80~90%と非常に高く、しかも一夫多妻制で、雌は毎年妊娠が可能とのことなので繁殖力の高さにも納得がいきますね。

私がニホンジカの赤ちゃんに遭遇した6月はまさに出産シーズン真只中でした!

※出典 環境省「ニホンジカの勢力拡大予想」

茂みに子鹿を隠すのが産後の習慣

画像:写真AC

さて、先ほどの「野生の子鹿に遭遇したらどうするべき?」の話に戻りますが

答えとしては、「そっとしておきましょう。」

出産直後の子鹿は産後2時間ほどで歩けるようになり、母親と一緒に生活をします。ただ、歩けるといっても早く走ることはできません。

そこで、母親は産後2〜3週間ほどは子鹿を茂みに隠し、クマやイヌワシ、カラスなどの外敵に見つからないようにしているのです。そして、1日2〜3回授乳のために母親は小鹿のもとへ戻ってきます。

なので、茂みの中でうずくまっている子鹿は迷子でも弱っているわけでもなく、身を隠し必死に母親の帰りを待っているのです。

子鹿を連れて帰ったり、触ったりすることは絶対にやめましょう。

出産後の母鹿は母性本能が強く気性が荒いため、人が子鹿に近づくと攻撃してくることも。
さらに、人が子鹿に触ることで、小鹿に人の匂いが付いてしまい、母鹿が子育てを放棄してしまい、最悪のケース小鹿が死んでしまう可能性もあるのです。

画像:写真AC
画像:写真AC

野生動物は触らないようにしよう

これまでご説明した通り、ニホンジカは非常に繁殖力が高く、軽度な登山道でも遭遇する機会が多くなってきました。しかし、野生の鹿にとって私たち人間は敵です。また人間にうつる病気を持っている可能性もあります。

子鹿に限らず、野生の鹿に遭遇した際は、以下のことに気をつけましょう!

① 近づかない
野生の鹿はとても臆病な性格なため、人と遭遇した際にどんな行動をとるかわかりません。
万が一見かけた場合は、それ以上近づかないこと。

②脅かしたりしない
大声を出して脅かすことは決してせず、静かにその場を立ち去ること。

③触らない
鹿に限らず、基本的に野生動物は人にうつる病気を持っている危険があるので、絶対触らないこと。
万が一、野生動物やその排泄物に触れてしまった場合は手洗いを!

※出典 北海道庁「野生のシカに出会った時の注意点」

ルックスは可愛らしい鹿、一方で厄介者の一面も

実は、今回私が訪れた伊吹山では、野生鹿によって貴重な高山植物を食い荒らされる被害がここ数十年で深刻化しており地元の人々は悲痛の叫びを上げているようです。

温暖化の影響もあり積雪量が減り、鹿の活動域が山頂へと拡大。国の天然記念物にも指定されるほど色とりどりの高山植物が有名な伊吹山。かつては山頂には一面花畑が広がり、登山道の両脇にも花が咲き誇っていたとか。しかし、現在はほとんど鹿に食べ尽くされてしまったようです。

ディズニーのバンビを彷彿させる可愛らしいルックスではありますが、貴重なお花がなくなってしまうのはやはり悲しく、難しいところですね。

画像:写真AC

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