日本固有の馬の特徴と歴史をご紹介します!
mofu
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こんにちは!実は私、小さい頃からの夢がありまして・・・
それは「馬に乗ること」。映画で馬に乗って颯爽と走る俳優さんを見るたびに、憧れていました。
雄大な草原で走るのが夢ではあったのですが、なかなかそんなシーンはないので、
先日、子供の頃の夢を一つ叶えるために、乗馬クラブで乗馬をしてきました!
私が乗馬したのは、競技を引退したばかりのサラブレッドの男の子10歳。
とても賢く優しい性格で、幸せなひと時でした。
そこでふと疑問に思ったのが、日本の競馬や乗馬でよく目にするのは外来種のサラブレッド。
果たして「日本固有の馬」は存在するのか・・・?
ということで本日は、「日本固有の馬」についてご紹介します!!
日本に古くから存在する8種類の馬
はるか昔から日本に存在し、海外の馬と血が混ざることなく現在まで日本に残っている馬のことを「日本在来馬」と言います。肩までの高さが140センチ以下と小型で、170センチにもなる大型のサラブレッドと比べると、ポニーのように小ぶりなのが特徴です。
現在日本には、合計8種の在来馬が存在します。
① 北海道和種(ほっかいどうわしゅ・「どさんこ」とも呼ばれる) 分布地域:北海道
② 木曽馬(きそうま) 分布地域:長野県木曽地域
③ 野間馬(のまうま) 分布地域:愛媛県今治市野間
④ 対州馬(たいしゅうば) 分布地域:長崎県対馬
⑤ 御崎馬(みさきうま)分布地域:宮崎県都井岬
⑥ トカラ馬 分布地域:鹿児島県トカラ列島
⑦ 宮古馬(みやこうま)分布地域:沖縄県宮古島
⑧ 与那国馬(よなぐにうま) 分布地域:沖縄県与那国島

日本固有の馬の起源と歴史
日本固有の馬の起源はモンゴルと考えられています。古墳時代に軍馬・家畜馬として、モンゴル高原から朝鮮半島を経由して持ち込まれ、長きにわたって日本人の生活を支えてきました。家畜として農耕や運搬に使われたほか、鎌倉〜室町時代にかけては「馬借(ばしゃく)」といわれる馬を利用して物資を運搬する輸送業者も存在しました。また、平安時代以降、2頭のマッチレースで勝敗を争う「競馬(くらべうま)」や、疾走する馬の上に乗りながら矢を的に射る武術「流鏑馬(やぶさめ)」など神事(儀式)のシーンでも馬は重宝されました。
そして皆さんよくご存知の通り、戦国時代では馬は合戦に参加し、戦に欠かせない存在でした。
ただ、島国の日本。当時は海外との交流が少なく、大型の外来馬種との交配がなかったため、日本在来馬は小ぶりな体型なんだとか。

日本在来馬、絶滅の危機とその理由
先ほどご紹介した8種類の日本在来馬ですが、個体数が年々減少し絶滅が危ぶまれています。
いちばん頭数の多い北海道和種馬でも1000頭余り。宮古馬の頭数は約40頭で、8種の日本在来馬の中で最も少ないといわれています。(2021年データ)
日本固有の馬の数が減少した理由は大きく二つ。
一つ目は、明治維新の富国強兵。
明治時代、日清戦争や日露戦争を通して、日本軍馬の体格や資質が海外の馬に比べて劣っていることが明らかになりました。そこで明治政府は、外来馬種を輸入し交配を進めることで、大型で優秀な軍馬を生み出す計画を進めました。その結果、鹿児島県の「薩摩馬」など、純粋な日本馬の血統が次々に途絶え、かろうじて残ったのが離島など交通の便が悪い地域に生息する馬でした。
そして二つ目が、第二次世界大戦後の自動車や農業機械の普及。
運搬や家畜としての役割が消え、ここまで頭数が減ってしまったのです。
この深刻な事態を受けて日本馬事協会は、残った8種類の日本固有の馬を「日本在来馬」と認定。近年では、各地方に僅かに残された日本在来馬の血統を保存し育成しようという動きが高まり、各地で馬種ごとに保存会などが設立されています。
※出典 農林水産省「馬をめぐる情勢」
日本在来馬は日本の文化遺産!
日本固有の馬は、古くから様々な分野で重要な役割を担い、私たち人間の生活と社会の発展を支えてきたにもかかわらず、文明の発達と人間のエゴによって絶滅の危機に晒されている、ということがわかりました。
「日本の文化遺産」ともいえる日本在来馬を守るために、どんな取り組みがされているのか、
また次回ご紹介したいと思います!