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サービスドッグ(介助犬)と自閉症をもつ少年

著者:Chappy

目次

こんにちは。Chappyです。

こちらはまたまた雨続きで、前回洪水になったQLD州はまた洪水になりそうです。

盲導犬は比較的存在を知られていると思いますが、サービスドッグという障がいのある人たちの生活のお手伝いをする犬について、今回の記事では紹介します。

サービスドッグ(介助犬)

世界共通のはっきりとした定義はなく、国によってサービスドッグの意味合いが異なります。日本ではサービスドッグは「補助犬」として呼ばれ、「盲導犬、介助犬、聴導犬」を意味します。 私の住む国(オーストラリア)では、この盲導犬、介助犬、聴導犬たちを「assistance dogs 」と呼び、サービスドッグという場合は日本で言う介助犬を指します。(ちょっとややこしいですね)

(reference :pixabay, 2022)

自閉症の少年

ある自閉症をもった少年と少年の家族の経験を書きます。

自閉症とは一般的には、家庭、学校、職場などで人と接する際に社会性やコミュニケーションの難しさが生じたり、特定の関心事に強いこだわりを見せるという特徴を持った発達障害とだと言われています。

自閉症を持った6歳の少年は、人と触れていないと夜一人で眠ることができず、彼一人で自分のベッドで眠ることは不可能でした。そのため、彼の両親はずっと一緒のベッドで眠る日々が続いていました。彼は両親と川の字で眠る間、蹴飛ばしたり身悶えるなどするため日常的に両親はゆっくり眠れず、彼の両親は大変な思いをされていました。特に彼の母親は車椅子が必要な障がいを持っていて、きちんと眠れないと次の日の体の動きに影響が出てしまう生活を送っていました。

介助犬との出会い

「Guide Dog Tasmania」という通常は盲導犬の育成を行っている団体で新しいトレーニングプログラムが始まり、この少年の住む州でのトレーニングも可能にしました。結果、少年はVinnie という介助犬に出会えることができました。なぜなら、以前は自閉症のための介助犬のトレーニングは、この家族の住む以外の州でのみ行われており、そのため自閉症のための介助犬が必要な人たちは他の州に行かなくてはなりませんでした。

ある意味、少年とVinnieの出会いは奇跡ですね。

そしてこの介助犬、Vinnieが少年の生活や行動を大きくサポートしてくれることになりました。 例えば、かんしゃくを一度起こすと落ち着くまでに4~5時間かかっていたのが、Vinnieと出会って1週間で20分以内で気持ちが落ち着くようになったり、以前は5~10分程度しか続かなかった集中力が、Vinnieが一緒に部屋にいるだけで1時間くらいまで続くようになりました。少年は一人で自分のベッドで安全に眠ることができるようにもなりました。

また少年の両親は以前のように少年が玄関から飛び出していってしまう心配をしなくて良くなったので、家の家事などを済ませることができるようになりました。両親としては図りきれないくらいの大きな効果を実感しているそうです。

Vinnieとの出会いによってこの少年だけでなく、少年の家族にも大きな変化が起き、以前に比べると断然落ち着いた生活が送れるようになりました。

これは両親にとって言い表せないくらいの大きな変化だったでしょう。

自閉症をもった少年と介助犬についてはこちらにリンクを貼っておきます。
autism assistance dog

(reference :pixabay, 2022)

動物の見えない力

なぜ、こんな風にこの少年に変化をもたらすことができたのでしょうか?

人間と犬をはじめとする動物は同じ言葉を話しません。でもVinnieのような犬には(犬だけとは限りませんが)本当に不思議な力があると思わざるを得ません。

Vinnieのトレーナーによると、「犬たちは非常に思いやりがあり、子どもたちの気持ちや感情を感じ取り、感情の変化をサポートし付き添ってくれる」「犬たちが横で寄り添うことである意味の「普通」な状態を創り出してくれる」と言及しています。

私たち人間がこんな風にできるでしょうか?

動物の不思議な力と言えば、程度は違いますが身近なところでも感じることがあります。
例えば、私は仕事でクタクタになった帰り道、散歩していると犬を見ると「あ~かわいい」と思って心が落ち着く感じがします。ただ犬を見ただけなんですが、自分自身で違いを感じます。

みなさんはそんな経験ありませんか?

(reference :pixabay, 2022)

今後の課題

このような犬をトレーニングするのには資金面が大きな課題です。

犬をトレーニングするのにはお金がかかるのです。例えばVinnieのトレーニングでは5万ドル(約500万弱)かかりました。ちなみに今回のトレーニングが可能状態になるまでの道のりは長く、まずは両親が政治家に手紙を書くところから始め、その後裁判まで持ち込まれ、最終的に国からの援助をしてもらえることができました。

長い間の両親の想いが勝ち取ったと言えます。
介助犬を利用したいという声は非常に多くありますが、資金面が常に大きな壁になっています。
より多くの人たちに介助犬のことを知ってもらうことによって、少しでも資金面改善につなげることで、トレーニングの機会が増えるといいなと思います。そして動物のサポートが必要な人たちに必要なサポートが届くようになるといいなと願っています。

ではまた2週間後にお会いしましょう。
Have a lovely weekend.

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