巣箱で巣作り?独特なさえずりの小鳥、シジュウカラの生態
2024.2.21
目次
今回は鳴き声に特徴がある身近な野鳥、シジュウカラについてご紹介していきたいと思います。
実は身近な小鳥、独特なさえずりのシジュウカラの生態
シジュウカラは学名「Parus minor」、英名「Japanese Tit」と呼ばれる鳥類です。
全長14.5cm程度で、体重は14gくらいの小さな鳥で、分類はスズメ目シジュウカラ科です。日本ではほぼ全国に分布してます。北日本に多く、西日本ではあまり見ないようです。主に平地から山地の林に住んでることが多いですが、時折、市街地や住宅地で見ることもあります。木の穴に巣をつくりますが、人工的な狭い穴にもよくつくります。
頭は黒く、頬は白いため目立つ鳥です。 背面は黄緑色で腰から下は灰褐色。 のどから下には黒いネクタイのような模様があります。
シジュウカラのさえずりは独特で「ツピーツピー」と繰り返すさえずりの他、「ヂヂヂヂ」という濁ったような声もしています。シジュウカラが繁殖期に入ると、よりさえずりが聞こえてくるようになります。シジュウカラの声はよく通るので、野鳥の声を覚えたり声を元に識別したりする練習にはちょうどいいそうです。
巣箱でも巣作り、シジュウカラの子育て
シジュウカラは、関東圏では、だいたい3月下旬ころから巣作りを始め、5月中旬ごろに巣立っていきます。時系列でどんな様子でシジュウカラが巣作りをし、子育てし、巣立っていくのか確認していきます。
3月下旬 巣作り
巣箱を気に入ったシジュウカラのメスはそのままその場所で巣作りを始めます。シジュウカラはメスのみが巣作りするため、オスは巣作りに関与しません。巣作りの土台には主にコケを使い、産座とよばれる卵を温める場所には動物の毛も用いるようです。シジュウカラが動物の毛を運んだなと思ったら、それはもうすぐ巣が完成する、という合図です。
4月上旬 産卵
この時期になるとシジュウカラのメスは産卵を開始します。繁殖がはじまると、メスは毎朝1卵づつ卵を産んでいきます。平均で大体8個くらいの卵を産むといわれています。全ての卵を産み終わると抱卵を開始します。抱卵を行うのはメスで、オスは巣箱の側でよくさえずります。巣箱の側でさえずっているシジュウカラを見たら、オスが鳴いているんだなと思って間違い無いでしょう。
4月中旬 ヒナの誕生
徐々にヒナが孵化して行きます。抱卵開始後、大体2週間程度でヒナが孵化します。孵化したあとはメス、オス両方でヒナにエサを運びます。産まれたばかりのヒナは、毛がほとんど生えていなくて目もまだ開いて無い状態です。孵化してから3日くらい経つと、産毛が生えてきます。鳴声はとても小さく、巣箱の近くで耳をすませるとかすかに「ピーピー」というヒナの声が聞こえてきます。愛らしいですね。
4月下旬 成長してきたヒナ達
孵化後10日目くらい経つと、目も開き、毛も徐々に生えそろってくる時期になります。鳴声も少しずつ大きくなり、外からでも巣箱の中にヒナがいるのがわかりる状態になります。両親のシジュウカラは忙しそうにヒナのために頻繁にエサ運びをします。
5月中旬 巣立ちの時期
4月中旬に生まれてきたヒナたちは、孵化後大体3週間前後で巣立っていきます。親がエサをヒナの前でちらつかせることで、巣箱の外に出るよう誘導します。同じ巣箱に住む全てのヒナが巣立つまでは数時間かかります。
シジュウカラの巣箱を設置するならどこ?
巣箱の穴の位置の方角を北か東に向けて、ひもなどでしっかり木などに取り付けることが大切です。巣箱をかける高さは、シジュウカラの巣箱を設置する場合は地上から3m くらいまでが適切と言えます。なぜかと言うと、地面に近いと猫などに簡単に登られてしまいヒナを襲われてしまう危険性もあるためです。高さ2〜3m くらいの位置にセットする方が良いとされています。また、巣箱を設置する場所は、出来るだけ人の出入りが少ない場所が望ましいそうです。
一番良い、巣箱をかける時期は、実は秋から初冬くらいの時期。10月~12月頃に巣箱をかけておくと、野鳥達が冬の期間寝る場所として利用し、春になると、そのまま巣として使ったりする場合が多いそうです。巣箱を利用するシジュウカラの繁殖期は、関東圏で3月下旬から。繁殖期に巣箱をかけるのは、間違いです。
まとめ
今回はシジュウカラについて紹介しました。もし庭先で設置した巣箱にシジュウカラが巣を作るなんて、何だか素敵ですよね。