かわいいヤブイヌ。日本国内で見られる?
2025.7.22
目次
まるで子グマのような見た目の「ヤブイヌ(ブッシュドッグ)」をご存じですか?
今回は野生に生息している犬、ヤブイヌのご紹介です。
ヤブイヌについて
原始的な姿をしている犬で、主に南アメリカ大陸の森林地帯に生息しています。水辺などの水が充分にある場所を好む傾向があり、湿度の高いサバンナ地帯にも生息しています。
主にペアもしくは少数の群れで生息していて、群れで狩りを行います。
小中型哺乳類を獲物にする場合もあり肉食性です。
ヤブイヌの英語名は「ブッシュドッグ」なのですが、現地では「zorro vinagre(ビネガーキツネ)」とも呼ばれています。体臭が酢のように強いため、この名前がついているのだそうです。

ヤブイヌはかわいい!?
発見当初、一部の科学者はイヌ科ではなくクマ科の新種と誤認したそうです。
体長は55cm ~ 75cmほどと小型哺乳類で、短い足や小走りで走る姿がかわいいと人気のヤブイヌ。
ずんぐりとした体型に短い脚、丸い耳と太い首が特徴的で、犬というよりタヌキやクマの子どもを思わせる外見です。
また見た目だけでなく、敵から逃げる時にバック走(後ろ向き)で走る姿もかわいいと言われる所以です。
野生ではヤブイヌも敵に出会います。その時に、敵の姿を確認しながらバック走(後ろ向き)で走って巣穴に戻ると言われています。
その姿を想像するだけで、確かにかわいいですね。

ヤブイヌは泳ぎが得意!!
こちらに泳いでいるヤブイヌの動画をご用意しましたので、ご覧ください。
ヤブイヌの足には部分的に水かきがあり、水中での移動や狩りに適応しています。
群れで水中を横切り、獲物を追い詰める狩りをすることもあります。
イヌ科の中でも、協調して狩りをする小型種は非常に珍しいとされています。
ヤブイヌは絶滅危惧種?
レッドリストでは、【準絶滅危惧 (NT) 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種】とされています。
出典:レッドリスト ヤブイヌ
野生の個体数は正確な数字は把握しきれていないのが現状ですが、減少傾向にあると見られています。
主な理由は、森林伐採などによる生息地の減少です。もともと観察例が少なく、実態がつかみにくいため、研究も難航しているのだそうです。
ヤブイヌの生息地である南アメリカ大陸の国によっては、ヤブイヌの保全活動も実施されています。

日本国内でヤブイヌに会える場所
しかし、複数の動物園ではヤブイヌが飼育されています。
絶滅危惧種でもあるヤブイヌなので、ぜひ飼育されている動物園にいった際は、一目見ることをオススメします。
かわいい姿から興味を持っていただき、生態を知り、絶滅危惧についての理解と保全活動へと移って行っていただけたら良いなと思います。

引用元:Britannica
引用元:Science Direct
まとめ
ヤブイヌは、見た目の愛らしさとは裏腹に、協調性に富んだハンターとしての一面を持つ野生動物です。
イヌ科なのに犬っぽくない、原始的な姿のヤブイヌ。
人類の活動が活発になる前は、こういう姿の動物がヤブイヌに限らずに多く地球に生息していたのかなと想像してしまいます。
ヤブイヌのかわいいバック走(後ろ向き)をまだまだ見れますように。
絶滅しないように保全活動の意識を保っていきたいと思います。