オオワシは日本の天然記念物。寿命や生態や生息地をご紹介
2025.1.24
目次
今回は日本の天然記念物にも指定されているオオワシについてご紹介します。
オオワシってどんな生き物?
鳥綱タカ目タカ科オジロワシ属
オス体長約90㎝/メス体長約100㎝
黒と白の体毛/黄色のクチバシ
日本で一番大きな鳥
オオワシは、鳥綱タカ目タカ科オジロワシ属に分類される鳥類です。
オオワシの体長はオスのが90cm前後。メスは100cm前後とメスの方が大きい傾向にあります。
また、翼を広げた大きさは何と240cm近くにもなります。一般的な日本の住宅の天井の高さは約230〜240cmになりますので、オオワシの翼開張の大きさがどんなに大きいのかイメージしやすいかと思います。
その為、日本に生息する鳥類の中でオオワシは最も大きな鳥類とされています。
空を飛ぶ姿はとても迫力がありますね。
ちなみに、ワシの中でも「カッコイイ!」「大きい!」で有名なハクトウワシも、大きさは同じくらいです。
オオワシの特徴は大きさだけではありません。
黒い体毛で覆われて、翼や尾に白い体毛の部分があります。そして、くちばしは黄色とも黄金とも言える色。
まさにワシ!って感じの見た目です。

オオワシは何を食べているの?
オオワシは主に魚を食べています。川や海の近くで魚を見つけると、素早く飛び降りて大きな爪で捕まえます。
オオワシの足は棘で覆われている為、ヌルヌルした魚でも素早く捕まえる事ができるんだそうです。
寒い地域に住む動物たちにとって、エサを確保することはとても重要な事です。
その姿はとてもかっこよく、自然界のハンターと呼ばれる事も!

オオワシの生息地
オオワシは日本では、北海道に生息しています。
と言っても渡り鳥になるので、年中、北海道にいるわけではありません。
基本的にはオオワシは越冬をする為に、12月から3月くらいにかけて北海道やその他日本国内にやってきます。
寒さを凌ぐ為に冬に北海道に来るってことは、普段の生息地は、冬の時期になると北海道よりも寒くなる地域に生息しているということですね。
オオワシに限らず、主にロシアや北極圏など寒い地域で生息している鳥類は、冬になると北海道を始め日本国内に飛来してくるのは有名です。
ハクチョウも冬の時期に見られるのは越冬する為に、来ている鳥なんですよ!

オオワシは寒さに強い?
オオワシは寒さに強い鳥類だと思われます。
越冬してくるとは言え、冬の北海道は十分に寒いです。その寒さは流氷が出来るくらいです。
ただ、オオワシはこの流氷でさえ、休息ポイントにします。
さらに、流氷や沿岸に打ち上げられた魚類や哺乳類の死骸をそこで食べることもあります。
その為、流氷の冷たさにも強い鳥類なのだと思います。流氷の上にいるオオワシの動画を用意しましたのでご覧ください。
越冬の時期は、とても寒い知床や北海道のオホーツク海沿岸にて、オオワシが群れで見られることもあります。
東京や大阪で生活をしている身からすれば、冬の北海道は確かに寒いですが、ロシアなどの北寄りの地域からすれば、北海道は暖かい部類に入るのでしょう。
オオワシの寿命は?
オオワシの寿命は野生環境下では約20 ~ 30年で飼育環境下では約50年と、大きな差が開いています。
それだけ、過酷な自然環境の元、生きている鳥だということもわかりますね!

オオワシは天然記念物で絶滅危惧種?
オオワシは昭和45年(1970年)、天然記念物に指定されました。
また絶滅危惧種でもあり、絶滅危惧Ⅱ類(環境省第4次レッドリスト)に登録されています。
個体数は、繁殖地の中心であるカムチャツカ半島で約1,200つがいが繁殖しているといわれています。
さらに、サハリン北部の繁殖つがいは、70~80つがいで、種としての総個体数は約4,600~5,100羽と推定し、減少傾向にあるそうです。(IUCN, 2013)
日本の北海道東部を中心に約1,400~1,700羽が各地に分散して越冬します。
オオワシの減少の理由

日本に越冬するオオワシは、風力発電施設への衝突「バードストライク」や鉛中毒による死亡が原因で減少の危機に直面しています。
バードストライクは、オオワシが風力発電施設の回転するブレードに衝突することで発生し、負傷や死亡を招いています。
また、ハンターが捕獲したシカの死骸を、オオワシが食べた時に残留する鉛弾を摂取することで鉛中毒死するケースも深刻になっています。

これらの問題は、人間と野生生物の共存における大きな課題になってり、風力発電施設の立地選定や非鉛弾の使用推進などの対策が求められているようです。
引用元:Institute for Wildlife studies
まとめ
今回は日本最大の鳥、オオワシについてご紹介しました。
日本最大の鳥であり、日本の天然記念物であり、絶滅危惧種でもある。
越冬しにくる地域も都心からは離れていますし、オオワシは警戒心も強い為、なかなか野生のオオワシには出会えません。
ただ、とても貴重な鳥なので、もし見かけたらゆっくりと観察してみてくださいね。