似ているようで似ていない!?ギフチョウとアゲハチョウ(ナミアゲハ)の違いとは!
2024.6.19
目次
今回は、似たもの同士のギフチョウとアゲハチョウ(ナミアゲハ)の違いについてご紹介します。
ギフチョウとナミアゲハの違いを比べてみよう!
見た目が似ているので間違いやすいと言われるギフチョウとアゲハチョウ。
厳密に言うと、アゲハチョウの中でも有名なナミアゲハがギフチョウと似ているので、このナミアゲハとギフチョウについて見ていきましょう!
似ているところ
ギフチョウとナミアゲハはどちらも国内に生息しているチョウです。似ているところはというと、やはり見た目ですね。どちらも昆虫綱(こんちゅうこう)鱗翅目(りんしもく)アゲハチョウ科なので、見た目は似ています。
どちらのチョウも黄色がメインで黒の模様が入っているし、羽の下の部分が少し飛びでているというところが似ていますね。
ただ、こうして写真を並べて見ると、羽の下の方の黒い部分の量や赤い色が入っている部分などの違いが結構明確に分かるかと思います。
他に、ギフチョウとナミハゲハの違いはないか比べて見ていきましょう。
ギフチョウとナミアゲハの違い
ギフチョウ
・幼虫の色は黒
・幼虫の頃は集団で生活
・食草はミヤコアオイ・ヒメカンアオイなど、ウマノスズクサの仲間の草
・蛹の期間は約10ヶ月
・蛹の色は黒
・開張5〜6センチ
・羽に赤色がある
・本州の限られた地域の林などに生息
・日本固有種
・絶滅危惧種
ナミアゲハ
・幼虫の色は緑
・幼虫の頃は単体で生活
・食樹(草)はサンショウ・レモンなど、みかんの仲間の木
・蛹の期間は約2週間
・蛹の色は緑・茶色・オレンジ
・開張7〜10センチ
・羽に赤色は無い
・全国各地の街中・公園などに生息
・台湾やハワイなど海外にも分布
・海外では侵略的外来種
幼虫の頃
黒色で集団生活をするギフチョウの幼虫に対して、ナミハゲハの幼虫は緑色で単体で生活をします。
食草(食樹)
食べている草や木ですが、ギフチョウはミヤコアオイ・ヒメカンアオイなど、ウマノスズクサの仲間のあまり聞き慣れない草を食べています。
ナミハゲハはサンショウ・柑橘系のレモンなど、みかんの仲間の木を食べています。
蛹
ギフチョウの蛹の色は幼虫が黒だからでしょうか、黒い色をしています。そしてなんと、約10ヶ月の期間を蛹で過ごします!とても長い間、蛹でいるってことは敵にも襲われるリスクが高いですね。
それでも羽化する事ができたギフチョウの蛹の様子と羽化までの貴重な動画をみつけましたので、ご覧ください!
落ち葉の上にいる真っ黒な蛹、街中や公園に生息していたら間違いなく踏まれてしまいそうですね。
一方、ナミアゲハの蛹の色は緑・茶色・オレンジ色をしています。光の量などで色が変わると言われています。蛹の期間は約2週間です。
幼虫から蛹になる蛹化から羽化までの動画をみつけましたのでご覧ください。
葉っぱや茎に擬態して蛹になっているように見えますね。
成虫の大きさ
ギフチョウの羽を広げた大きさですが、開張5〜6センチになります。羽には赤色の部分があります。
ナミハゲは開張7〜10センチになり、羽に赤色の部分はありません。
ナミハゲハの方が大きい事が分かりますね。
生息地など
ギフチョウの生息地は本州の限られた地域の林などに生息しており、日本固有種であり絶滅危惧種になっています。とても貴重なチョウですね!
ナミアゲハは、全国各地の公園や街中どこにでも生息しており、日本だけではなく、台湾やハワイなどの海外にも分布しております。そして、ハワイでは唯一のアゲハチョウとされていますが、幼虫の食草である柑橘類などの葉を食べるため、樹木の生長に影響を与えるとして害虫扱いにもなっております。
ナミアゲハを育てた事がある方はご存知かと思いますが、幼虫の頃のナミハゲハはとにかく食欲旺盛なので、すぐに葉っぱが無くなってしまうんです!
見分けるポイント
ギフチョウとナミアゲハの違いを比べてみましたが、いかがでしょうか…?
色も形も、チョウが羽ばたいている状態だと、ぱっと見では見分けは難しいかと思います。
その為、もしどちらのチョウかな?と思ったら、大きさや羽の赤色の有無など、止まったところをゆっくり観察するようにしてみてくださいね。
あと、見つけた場所も見分けるポイントになりますね。
山中や林などの木々が生い茂ったところにギフチョウは生息しているので、街中や公園などで見かけた際は、ナミアゲハの確率が高いです。
こういう情報もギフチョウとナミアゲハの違いになってくるので、見分けるポイントになってきます。
まとめ
今回はギフチョウとアゲハチョウ(ナミアゲハ)の違いをご紹介しました。
特に「春の女神」という異名を持つギフチョウは日本の固有種なので、ぜひとも知っておいてほしい種類でもあります。