渡り蝶。オオカバマダラの特徴や生態をご紹介
2023.6.29
目次
渡りをする蝶として有名なオオカバマダラ。
今回は特徴やなぜ渡る?移動距離は?などの生態もご紹介していきます。
オオカバマダラの特徴とは?
チョウ目・タテハチョウ科・マダラチョウ亜科
体長は5cmほどの蝶で、北アメリカやカナダなどの北米地域に主に生息している。
日本国内では野生は生息していない。似たような蝶は生息しているので間違いやすいポイントでもある。
オオカバマダラは渡り蝶?
オオカバマダラは渡り鳥のように渡りをする蝶です。
南北アメリカ大陸を横断し、年間で最大4,000kmというとてつもない距離を渡るとされています。
オオカバマダラは秋に北米から越冬の為に、南米へと渡ります。食事をしながら・休憩を挟みながら南米を向かっていきます。
そして、春。オオカバマダラは北米へと向かっていきます。
北米へ向かう際は、交尾をし子孫を残しながら。
不思議なことに、オオカバマダラは南米へ向かう個体の寿命は9 ~ 10カ月に対して、北米へ向かう個体は1 ~ 2カ月と言われています。
つまり。南米から北米へ向かう間に世代交代をしながら、北米に辿り着いた個体は、一度も見たことが無い南米へと越冬の為、渡っていくのです。
オオカバマダラには毒がある
オオカバマダラは毒蝶でもあります。
幼虫時代に食べた植物に含まれる毒を体内に蓄えて成虫になります。
その為、成虫のオオカバマダラには毒があります。この毒で一般的に死に至ることは無いと考えられておりますが、不味い・有害であるなどの理由から、捕食者は二度とオオカバマダラを狙わなくなります。
これが、オオカバマダラの防衛機能になっています。
オオカバマダラは絶滅危惧
オオカバマダラは、2021年にIUCNレッドリストにて絶滅危惧種として認識されました。
農業や都市開発のための森林伐採などで越冬時の住処や食料の減少が原因の1つとして考えられています。また気候変動も大きな影響を与えており、山火事なども個体数減少の要因になっております。
しかし、現在オオカバマダラの生息地を保護する活動も行われています。
植物のトウワタを植え、農薬の減少をすることで蝶の住処を保護しています。
こちらがトウワタ ↓
トウワタはBlood Flowerと言われることもあり、検索エンジンでBlood Flowerと検索してもトウワタが表示されます。
オオカバマダラの幼虫はこのトウワタを食べて成長します。
そして、このトウワタこそが毒草であり、オオカバマダラの防衛機能の毒になっています。
まとめ
オオカバマダラは渡りをする。寿命が生まれるタイミングによって異なる。毒を持っている。
など、不思議な特徴が多い蝶です。国内では昆虫館などでは観られることがあるかと思います。
珍しい蝶なので、一度は観てみたいですし、絶滅しないように取り組みをしていきたいですね。
今回はICUNのプレスリリースの内容を一部引用させていただきました。
詳しくはこちらからご確認いただけますと幸いです。