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真珠はなぜできる?水と貝が生む宝石「真珠」についてご紹介

2023.12.14

目次

突然ですが、皆様は宝石はお好きですか?

私は宝石類が大好きで、以前から日常的に身に着けてきました。

母や祖母、叔母らから譲り受けたものを大切に使い続けるのはもちろん、自分自身で新しいものを購入することもあります。

最近は、就労困難な障がい者の方々が制作するブランドの真珠ネックレスにはまっています。

真珠(パール)はなぜできる?

真珠(パール)は炭酸カルシウムが主成分となっている宝石の一種で、貝の体内に異常分泌物として生成されます。
貝の「外套膜」という体表には、異物が入った際にそれを核として包み込み、小さな球体を生成する働きがあるのです。
これが自然にできたものを天然真珠、人間が意図的に核を埋め込んでできたものを養殖真珠と呼びます。
一般的に、偶然作られる天然真珠は希少なため、高価になる傾向があります。

なお、他の軟体動物も真珠を生成することがありますが、真珠層からできるものではなく価値が低いとみなされるようです。

パール
画像引用元:Pixabay

真珠の歴史

真珠はダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドなどとともに、古くから愛されてきた宝石の一つです。

磨かずとも美しい輝きを帯びているため、人間が初めて出会った宝石であるともいわれます。

紀元前数千年前の遺跡から出土していることからも、真珠と人間の関わりの深さ、歴史の長さがうかがえますよね。

古今東西の古典文学にも、真珠についての記載があります。

たとえば、インドの『リグ・ベーダ』やギリシャの『イーリアス』、中国の『淮南子』などです。

日本でも『万葉集』の和歌に、「白玉」「あわび玉」といった名称で真珠が詠まれています。

ロウソク
画像引用元:Pixabay

真珠の種類

真珠には、以下のような種類があります。

・アコヤ真珠

アコヤ真珠は、アコヤガイから作られます。
明治時代に御木本幸吉氏が世界に先駆けて養殖に成功して以来、日本産アコヤ真珠は各国に輸出されるようになりました。
日本以外では、中国や韓国、ベトナムなどで生産されています。

・クロチョウ(黒蝶)真珠

クロチョウガイが産出する真珠を、クロチョウ(黒蝶)真珠と呼びます。
「タヒチアンパール」として知られ、南太平洋のタヒチが主たる産地となってきました。
ニューカレドニアやクック諸島、石垣島、西表島などでも生産されています。
クロチョウ真珠というと、黒っぽい色彩をイメージする人もいるかもしれません。
しかし実際のクロチョウ真珠は、黄色や緑、青、グレーなど多種多様な色が揃っています。

・シロチョウ(白蝶)真珠

シロチョウガイから採れるシロチョウ真珠は、産地の海洋環境によりサイズや色が異なってくるのが特徴です。
たとえば、最も大ぶりのシロチョウ真珠はオーストラリアのもので、銀白色をしています。
一方、東南アジア海域で生産されるものはゴールド系で、希少性も人気も高いそうです。

・淡水真珠

淡水真珠は、川や湖など淡水に生きる貝から採れるものを指します。
イケチョウガイやメンカラスガイ、カワシンジュガイなどが例として挙げられるでしょう。
サイズが大きいため1つの貝で複数の真珠が養殖でき、その生成も速いことから、価格を低く抑えられるのが淡水真珠の魅力です。

真珠の輝きは「命の輝き」そのもの

ここまで真珠について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

宝石としての真珠の価値は、大きさや形、傷の有無、光沢などによって決まります。

ただ、自然や動物を愛する者として、私はそうした価値基準とは異なる考え方も持っていたいと思っています。

その考え方とは、「たとえ小さくても、傷があっても、すべての真珠は水と貝が育んだかけがえのない命の輝きそのもの」だということです。

宝石を生み出す環境と生き物の神秘的な力に思いを馳せ、真珠一粒一粒に固有の輝きを見出す…。

それもまた、地球からいただいた贈り物である宝石の愛し方の一つではないでしょうか。

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