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カバ

カバは最強!?ワニも恐れるカバに天敵はいる?特徴をご紹介します。

2024.3.17

目次

今回はサバンナの水中のボス、カバのご紹介です。

カバは、「動物園でしか見たことの無い人」と「野生下でしか見たことが無い人」では、全く違うイメージを持つ動物だと思います。それはなぜか?についてご紹介していきます!

カバについて知ろう!

特徴や生態は?

カバは、哺乳綱偶蹄目カバ科カバ属の動物です。成体の大きさは体長3.5くらいで体重は3,200kgほど!

偶蹄目(ぐうていもく)の動物なので、カバの足には蹄(ひづめ)があります。

カバ
撮影者:KATSU(撮影場所:東山動植物園)

ちなみに、偶蹄目とは蹄を持つ動物で尚且つ指が数が偶数の動物のことです。

カバには2つの種があり、一般的な川カバ(水陸両用カバ)と森林や沼地に生息する小さなピグミーカバ (コビトカバ)がいます。

特徴は大きな口と大きなキバ。カバの口は強さの象徴でもあり、縄張り争いや補食者から身を守るためにも役立つ最大の武器です!

カバのイラスト
画像作成者:KATSU

食べ物は?

カバは雑食の動物で、主に草や葉を食べています。日中の大半を過ごす水の中や水辺の草などを好んで食べています。

大きな口なので、地面に生えている草は食べにくいのかな?と思いましたが、こちらの画像をご覧ください。大きな口・大きなキバがあっても、全然問題無く食べれます。

カバ
撮影者:KATSU(撮影場所:東山動植物園)
カバは肉を食べるのか?

雑食なので、カバは肉も食べます。

ただ野生のカバであっても、肉を食べることはかなり稀。1995年にカバが肉を食べることがジンバブエで確認されましたが、それから約30年たった今でも目撃例はかなり少ないそうです。

そして食べる肉は死肉で、一部の栄養素が不足している時に肉を食べるのではと考えられています。

参考:What Hippos EatWhat Do Hippos Eat?

ちなみに「カバは人間を食べる?」と疑問に持つ方も結構いるようです。

これはカバによる被害で年間500人近くの方が亡くなっていることが原因と思われます。この被害はカバが人を襲ったためですが、それは獲物だから狙ったといわけではなく、カバの縄張りに侵食してしまったため。そのため、カバは人間を食べることは基本ありません。

参考:Are hippos dangerous? What to know about the danger they pose.

水中にいることが多い?

カバの皮膚はデリケートなため、常に泥や水で濡らしている状態が望ましい。そのため、カバは日中のほとんどを水中にいることが多いです。

皮膚についてはこちらの記事もご覧ください。

日中の大半を過ごすのが水の中なので、カバはとても泳ぐのが得意!…と思われがち。

確かに水の中は得意で、しかも息を止めていられる時間(潜水していられる時間)は、約4 ~ 6分ほどもあり、陸上哺乳類としては立派です。

ただ、カバは水中を潜って泳ぐのではなく、水底を歩いているのです。

ぱっと見は泳いでいるように見えるのですが、水中を泳ぐのではなく水中を歩く。

その為、必ずしもカバは泳ぐのが得意というわけでは無いのです。

カバのイラスト
画像作成者:KATSU

参考:ifaw Hippopotamuses

カバの嚙む力

さて、特徴でも紹介したカバの最大の武器の口。この口で嚙む時の力はどれくらいなのでしょうか?

カバの嚙む力(顎の力)は?

結果を先にお伝えすると、1,800psi (12,600 kPa)

psiは圧力を表す単位なのでわかりにくいですが、成人男性の嚙む力が160psiくらいだと言われているので、約10倍嚙む力が強いってことに!

しかも、これはメスのカバのお話しだそうで、オスのカバは危険過ぎて正確には測れないのだとか….

参考:Hippo Bite Force: How Strong Is A Hippos Jaw?

脅威です。

ちなみにライオンの噛む力は約1,000psi。ライオンは動物の骨を簡単に嚙み砕く力があるので、それの1.8倍もあるカバがどれだけ強いんだって話ですね!

ちなみに、カバのオス同士は縄張り争いをする際には、この特徴の口の大きさを比べあいます。

口が大きい方が強い。カバ自身も口が最大の特徴だと認識しているのかもしれませんね。

カバ
画像引用元:Pixabay

カバは最強の動物なのか?

カバは最強と言われることが多々あります。

これは実はその通りで、最強かどうかはさておき、強い部類に入る動物であることは間違いないです。

カバが最強と言われる理由は?

① 嚙む力が強い

② 気性が荒い

③ 大きい

気性が荒くて、ライオンの約2倍の嚙む力で襲われたらたまりません!

さらに、カバは意外と走るのも速いのです。時速約30km。

人間の陸上オリンピック選手並みの走る速さを持っている人なら、ギリギリ逃げれるかな?といったくらいです。普通の人間だと、あっという間に追いつかれてしまうでしょう。

このカバの気性の粗さや強さを、同じ水中を生息地としている水中のハンター「ワニ」も知っています。

その為、ワニも基本的にはカバを見たらむやみやたらに近づかないし襲わないです。

ライオンがゾウなどをほとんど襲わないのと同じですね!

自分より大きく力も強い相手だと、自分も大ダメージを負う可能性が高い。そこまでのリスクを背負ってまで襲わないし、近寄らないということですね。

さらにカバは群れで生活をしていることも多い。

一個体でも強いのに、群れとなると手出し不能。まさに、最強です。

カバのイラスト
画像作成者:KATSU

カバに天敵はいる?

最強と言われるカバに天敵はいるのでしょうか?

答えは、「います」

それは、ライオンやワニなどの肉食動物です。

最強と言われるカバにはワニも襲わないと前述しましたが、それは大人のカバのお話…

もちろんカバの子供は力も弱く、体も大きくありません。

つまり、相手が子供のカバならワニの方が圧倒的に強いので、子供が一頭でいたら獲物にされる可能性は充分にあります。

またライオンなどの肉食動物も同じで、水中にいて、大きく強い大人のカバをわざわざ狙うことはありませんが、子供のカバとなれば話は別なのです。

子供のカバを襲うワニのイラスト
画像作成者:KATSU

それをカバも知っている為、子カバは基本的には群れの中で大人のカバに囲まれて生活をしています。

大人のカバの壁で守られているのですね。

ちなみにですが、大人のカバでも陸上に完全に上がって一頭でいたりすると、ライオンの狩りの獲物になることもあります。

ライオンとカバの陸上の走る速さはライオンの方が速いですし、ライオンは群れで狩りをする動物なので、例え最強のカバと言えど補食されてしまいます。

だからこそ、カバは安全な水中で生活をしているというのもあるのですね!

以上のことから、カバの天敵はライオンなどの肉食動物ということになるのです。

最強と言いながら天敵がいるのは矛盾しているようでもありますね。

まとめ

今回は水中の最強動物カバをご紹介しました。

動物園だと他の動物と一緒にいることはほとんど無いので、獰猛な姿を見ることも無く、ずっと水中や水辺でジッとしているイメージのあるカバ。

その為、おっとりとした動物だと思われやすいのですが、ご紹介したとおり、実は危険な動物なのです。

もし、サバンナなどに行かれる際には、野生のカバには充分ご注意くださいませ。

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