ホッキョクグマの食べ物は何?寿命や生態をご紹介。白熊と違う?
2024.12.18
目次
今回は現代の地上の陸上動物最大種のホッキョクグマについてご紹介します。
ホッキョクグマは一体どんなクマなのでしょうか。ホッキョクグマと白熊の違いについてもみてみましょう!
ホッキョクグマってどんな動物?
哺乳綱食肉目クマ科クマ属の哺乳類
北極圏に生息
体長オス約2m〜2.5m・メス約1.8m〜2m/体重オスが最大800kg
ホッキョクグマは、哺乳綱食肉目クマ科クマ属の哺乳類です。
名前のとおり、北極を拠点に生息しています。氷がある限り海氷の上で過ごします。夏季には氷が解けるため、陸地で過ごすこともあります。この時期は食料が不足する時期でもあります。
体長はオスが約2m〜2.5m、メスが1.8m〜2mになり、体重はオスでは最大約800kgにもなります。
主に単独行動をしますが、出産してからの子育ては約2年~2年半と言われており、その期間は親子で行動をしています。

ホッキョクグマは白く見える体毛で覆われている為、白熊と呼ばれることもあります。
ホッキョクグマと白熊は同じ?違う?
ホッキョクグマと白熊は同一動物なのか疑問ですよね。
ホッキョクグマのことを白熊と表現することも多いですが、厳密に言うとホッキョクグマと白熊は違います。
では、それぞれを見比べてみましょう!
ホッキョクグマ

肉食性
北極圏の氷の上で生活
冬眠しない
肌の色は黒色/毛の色は透明
舌の色は青色
白熊(ヒグマ)

雑食性
森林にで生活
冬眠する
肌の色は黒色や赤褐色/毛の色は基本的には黒色や茶色
舌の色はピンク色
白熊は名前の通り、白い色のクマです。
白く見える体毛の種類はホッキョクグマしかいません。
しかし、白い体毛の個体が生まれ、白い色のクマに見えるヒグマやツキノワグマなどの種類のクマを白熊と呼んでいるのです。ヒグマやツキノワグマなどのクマは基本的には黒色や茶色になります。
白い体毛の個体が生まれるとはどういう事かと言うと、それは【アルビノ種】です。アルビノは、メラニン形成の影響で色素が落ち、皮膚や毛が白くなった個体です。
その為、白熊というとこのアルビノ種のことを指すことも多く、元々白い個体である北極に生息しているクマをホッキョクグマという認識になっています。
また、ホッキョクグマはアザラシやセイウチを食べる肉食性に対して白熊は、肉食性のイメージ通りシカや鮭も食べますが、ほとんどは植物を中心とした食べ物を食べる雑食性になります。
ちなみに、クマは冬の間は冬眠をしますが、ホッキョクグマは冬眠しません。(厳密に言うと妊娠しているメスは冬眠をします!)なぜならば、冬の間は氷ができる時期になり、狩りを盛んにする事ができる時です。その為冬眠などしてはいられないのです。

ホッキョクグマの体毛の色は白?
実はホッキョクグマの毛は白く見えるだけで白ではありません。
ホッキョクグマの体毛は透明だと言われています。そして、ホッキョクグマの地肌は実は黒です。
その為、他の種のクマと同様、ホッキョクグマは黒熊なのですが、なぜ白く見えるのでしょうか。
透明のものは背景が黒いところで重なると白く見えてきます。
こちらはその様子を凄く簡単に動画にしてみました。
ビニール袋を黒いテーブルの上に重ねた時と、ティッシュペーパーの上に重ねた時の映像です。
白い背景だと、透明のビニール袋はずっと透明に見えますが、黒い背景の部分はだんだんと白く見えてきます。
ホッキョクグマも、地肌(背景)が黒く、毛が透明なので白く見えるということですね。
ホッキョクグマの特徴や食べ物
ホッキョクグマは前述のとおり、透明な毛を持っているのでですが、この体毛の中は空洞です。
この空洞のおかげで空気をためやすく、体の熱を逃がすのを防いでいます。
さらに、ホッキョクグマの脂肪はかなり多く40 ~ 50%以上とも言われる体脂肪率です。
この体毛と脂肪の特徴のおかげで、ホッキョクグマは寒さに強いのです。
ホッキョクグマの食べ物は補食対象の哺乳類や魚類になります。
大きな動物でいえば、アザラシやセイウチなども狩りをして食べます。
特に、脂肪分の多いアザラシを食べることでエネルギー源になるのでとても重要になります。
狩りの様子の動画を用意しましたのでぜひご覧ください!
ホッキョクグマの特技
ホッキョクグマは泳ぐのが得意で、70km以上の距離を泳ぎ続けることもできます。
ただ、純粋な泳ぐスピードだけでいけば、アザラシなどの補食対象の方が速いので、主に陸上にいるアザラシなどを狙い狩りをします。
さらに、水中にいるアザラシも流氷の上から狙いすまして、一気に喰らいつく場合もあり、北極圏内では最強の肉食動物です。
また、ホッキョクグマは嗅覚が優れており、数kmも離れた場所にいるアザラシなどの匂いを嗅ぎ取ることができると言われています。

これらの特技が狩りをするためにとても役に立っているのですね!
ホッキョクグマの寿命
ホッキョクグマの平均寿命は約15年から18年です。
飼育下のホッキョクグマは、23年ほどとされています。物園で飼育されているホッキョクグマは、良い環境と良い食事が与えられるため、33年も生きたホッキョクグマもいるそうです。
ホッキョクグマは絶滅危惧種?
ホッキョクグマは、野生下でも約10数年生きる種類ですが、個体数は少なく絶滅危惧種となっております。
ホッキョクグマは絶滅危惧種に認定されております。
レッドリストには、【絶滅危惧II類 (VU)※ 絶滅の危険が増大している種】に登録されています。
推測されるホッキョクグマの個体数は26,000です。
現在、地球温暖化により、北極の氷の面積も減少傾向になり、ホッキョクグマの生息地が減ってきています。
ホッキョクグマの保護活動は進められていますが、同時に生息地域の環境の保全にも意識をもっていく必要があります。

まとめ
今回はホッキョクグマのご紹介をいたしました。
野生下のホッキョクグマに日本で会うことはまずありません。ありえるとしたら、北極圏で獲物が減少してしまって、新たな獲物を求めて海を彷徨って流れつく個体だと思います。
その為、ホッキョクグマを観たい場合は、お近くの動物園・水族館をお調べしてみてください。
日本各地の動物園・水族館で飼育されていることが多いです。
日本に限らず、世界の動物園・水族館で、ホッキョクグマの繁殖は重要な課題にもなっていますので、もし観られる際は、その動物園・水族館ではどういう取り組みをされているかも注目してみてください。