2024.11.13
AIを利用した音声分析技術でシカの行動実態に迫る
(原文)発表のポイント:
◆安定した音響セグメンテーションと、機械学習による分類を組み合わせることで、野生動物の鳴き声から行動を効率的に短時間で評価することに成功しました。この手法は、自然環境への人的かく乱を最小限に抑えながら野生動物の保護管理を目指す、新しいフレームワークです。
◆尾瀬国立公園(湿原)と三重県多気郡多気町(農地)にて実証実験を行い、AIによる音声分析結果から防護柵の侵入箇所の特定や、シカの鳴き声と作物被害との関連など重要な発見につながりました。
◆シカの鳴き声の頻度やタイミング、間隔を分析することで、シカの行動パターンを把握することができ、農作物の被害減少に効果的な防護柵設置計画の策定や、生物多様性の保全への貢献が期待されます。
チアセブンアーチ編集部からのコメント
・この記事はPR TIMESに掲載されている内容を元に記載しています。
京都先端科学大学と東京大学が協力して行った、AI技術を用いたシカの行動分析の成果が紹介されています。シカの鳴き声の音声データをAIで解析し、行動パターンを明らかにする新しい手法は、従来の観測方法よりも効率的かつ環境への影響が少ない点で画期的です。
特に、音響データを用いたモニタリングによって、シカが鳴く頻度やタイミング、鳴き声の種類が行動や生息環境によって異なることがわかり、保護管理や農作物への被害対策にも活用できる可能性が広がります。また、防護柵の侵入箇所特定にも役立つため、野生動物と人間が共生するための取り組みの一環として注目されるでしょう。
この研究が、環境を乱さずに野生動物を観察できる方法の一つとして普及すれば、自然環境と生態系の保全が一層進むことが期待されます。生物多様性の保護に向けた重要な一歩であり、今後の展開にも大いに期待しています。