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エシカルツーリズムで観光地を応援!すこしの工夫でより充実した旅を。

目次

「エシカルな暮らし」「エシカル消費」という言葉を、店頭、雑誌、SNS、さまざまな場所で目にするようになりました。コロナが終わり、日本にも国内外から多くの人が訪れるなか、観光にもエシカルな行動が求められるようになってきました。

私たちが余暇として、息抜きとして、楽しみとして、おこなっている観光ですが、なぜエシカルツーリズムの重要度が高まっているのでしょうか?エシカルと何か、観光における役割、簡単にすぐに実践できることをお伝えします。

エシカル消費とは

サステナブルツーリズム
画像提供元:Unsplash

エシカルとは「倫理的な」という意味で、人や地球環境、社会、地域への影響に配慮した行動や考え方を指すのが一般的です。消費者庁は、エシカル消費をこのように定義しています。

エシカル消費とは

消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。

参考:消費者庁「エシカル消費とは」

私たちは何気なく「欲しい」と思ったものを買いますが、その商品がうみだされる背景には原材料の調達・加工・輸送・販売など、さまざまなステップが存在しています。
そのステップのなかで、生産や輸送における地球温暖化の促進、森林伐採などの環境破壊、労働者搾取などの人権問題が発生してしまうこともしばしば。

その問題解決のための施策が必要となりますが、国や企業の努力や工夫だけでは限界があります。例えば、フェアトレードのお洋服を販売するビジネスを立ち上げても、購入する人がいなければ廃れてしまうでしょう。その反面、フェアトレードの洋服の支持者が増えると、環境や労働者に配慮した商品が売れると認識し、フェアトレードを販売する会社が増えていきます。私たち消費者が社会に与える影響は実はとても大きく、私たちの行動こそが社会問題の解決に繋がるのです。

サステナブルとエシカルの違いは?

エシカルと似た意味でつかわれる言葉に、「サステナブル」があります。

サステナブルも環境や文化、そして人々の暮らしへの配慮を重要視しているという点ではエシカルと同じといえます。特徴は、その配慮よって産業や人々の暮らし、現在の社会のあり方が持続していくシステムやプロセスをつくっていくという点。

エシカルは配慮する行動そのものを指しており、その結果として今あるものが持続していくサステナブルに繋がっていきます。また、エシカルは個人の選択を指すこともある反面、サステナブルでは国や自治体、企業などの取り組みなど、「社会の在り方」を重要視することが多いです。

エシカルツーリズムはなぜ必要?

オーバーツーリズム
画像提供元:pixabay

エシカルツーリズムが重要視されるようになった背景には、観光ブームによって生じた自然環境や現地の住民への影響の大きさがあります。

飛行機の登場や経済成長、そしてインフラ整備を背景に、観光が民衆にも広がると徐々に大気汚染、騒音被害、風紀の乱れ、生態系の変化など、多くの問題が発生するようになりましたこの状況を改善しなければ、その土地が持つ本来の魅力は、いつか消えてしまうかもしれません。

海洋汚染
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とはいえ、観光事業を極端に縮小させるわけにはいきません。なぜなら、観光の収益によって保護されている自然環境、文化財、地元住民の雇用は多くあるからです。特に、アフリカのサバンナや沖縄の屋久島のような自然が豊富な土地、人口減少が続いている土地、発展途上国などは、観光によって支えられているといっても過言ではないからです。そのため、現地の今ある姿を守りながら、観光業をつづけていけるようにするための行動や配慮が必要とされています。

エシカルツーリズムの役割
  1. 観光による現地へのダメージを極力抑える
  2. 現地の環境・文化・生活を保護する
  3. 現地の経済活動を活性化させる

エシカルツーリズムで最も大切なこと

観光
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観光地保護のために最も重要視されるのは、観光客自身が現地にたいして配慮ある行動をとることです。各自治体や観光施設は多言語でルールの呼びかけや掲示を行っているところもありますが、残念ながら軽視されてしまうこともしばしばあります。

現地の人々がどれだけの工夫を重ねたとしても、もし来る人たちが意識を高めなければ、状況が改善されることはありません。現地に良い影響を与えながら楽しみ観光をする。そんな責任ある行動をとることが、観光客に求められています。

観光地を守るために私たちにできること

責任ある行動という言葉そのものは重みがありますが、そのために個人ができることは、実はとても簡単です。

1.ゴミ袋を持ち歩く

観光公害
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ゴミ箱がないエリアや、あっても溢れかえっているエリアもあるので、小さな袋を1つ持ち歩き、ゴミは自分で持ち帰る、もしくは捨てるべきところで捨てることが大切です。

普段は、いたって常識的な行動をしている人であっても、普段自分が住んでいるところから離れると、つい好ましくない行動を取ってしまうもの。「ま、いいや!」と気を抜いてしまう人もいるかもしれませんが、現地の人からすると、自分たちが暮らしてきた町が汚されるのは気分のいいことではないですね。溢れたゴミ箱に捨てたボトルが風によって川や海に流れていく可能性があります。些細な行動にも、リスクは付きもの。

2.ゴミを出さない

ボトル
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ポイ捨てをしないのはもちろんですが、ゴミを出さないように心がけることも大切です。例えばシャンプーをボトルにいれて持参し、アメニティの使用を控えるだけでもゴミを削減することができます。

国や地域、ホテルによっては、水道の水が飲めるようになっていたり、給水機が充実していることもあるので、ウォーターボトルを持ち歩くのもいいでしょう。ヨーロッパでは、濾過機能のついたボトルを持ち歩いている人もいます。観光中は、1日1~2本はペットボトル飲料を購入するので、自分自身の節約にも繋がります。

3.ルールを守りながら楽しむ

マリンスポーツ
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観光地を訪れた際、ルールや約束事などを守るようお願いされることもあるでしょう。ルールは現地の自然や建物、展示品を保護することを目的につくられていますが、観光客の安全を守るためでもあります。

特にマリンスポーツやサバンナツアーなど自然の中でのアクティビティは、命に関わる事故に繋がることがあるため、長文のガイドラインを渡されることもあります。安心安全かつ、迎える側も迎えられる側も気持ちよく過ごすために、守るべきものは守りましょう。

4.公共交通機関を利用する

オーバーツーリズム
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車が増えると排気ガスが増えるのはもちろんですが、交通渋滞やバス遅延の原因となり、クラクションが鳴らされるといった騒音被害も報告されています。

また、観光シーズンに車で行くと、目的地付近の駐車場がすでに満車で立ち往生ということにもなりかねません。公共交通機関が充実しているエリアでは、できるだけ車の使用は控えたほうがストレスも少なくて済みます。

5.徒歩や自転車で移動する

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公共交通機関が混雑していたり、本数が少なかったりする土地もなかにはあります。そういうときは、徒歩やレンタサイクルがおすすめ。自分の足をつかって移動するとなると疲れそうですが、自分の足をつかうからこそ、ゆっくり現地の景色や雰囲気、ときどき流れてくる花々の香りや飲食店の香りを楽しむこともできます。

川沿いの道や細い路地など、徒歩や自転車だからこそ通れる通路もあるので、ふとした隠れスポットに出会い、より現地の雰囲気を堪能できるかもしれません。

6.現地にお金を払う

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せっかく観光地でお金を使うなら、現地の人に還元される形で使い、地域活性化に繋げましょう。白タクは避ける、地産地消の食事を楽しむ、プラスチック製品ではなく伝統工芸品を購入するなど、ほんの少し選択肢を変えるだけで、その土地に還元できる機会は多くあります。また、現地のものを購入することは、地域外からの輸送量を減らし、環境への負荷削減にも繋がります。

その場だからこそ味わえるものを体験し、現地に還元し、かつエコに過ごせる楽しみ方です。

7.地元運営の観光プランを選ぶ

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文化体験、歴史ツアー、アウトドアアクティビティなど、現地の文化や歴史、自然に触れられるプランは豊富にあり、せっかくならそれらに参加し、現地の雰囲気を体験してみましょう。

地元の団体が実施するプランやイベントに参加すると、そこに住んでいる人だからこその知識を吸収でき、資源保護への責任感も強いため、学びや気づきがかなり豊富です。また、その団体に関わる人へや、プランに関係する土地・建物への経済的支援や保護活動にも繋がります。しかし、中には違法で運営されているツアーや詐欺まがいのプランもあるので、現地政府の観光局など信頼できる情報源の活用がおすすめです。

8.混雑を避ける

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人があまりにも多く、現地の受け入れ態勢が間に合わないと、交通渋滞や自然環境へのダメージ、騒音など、多岐に渡って影響が出てしまいます。その問題を悪化させないよう、観光客が多いシーズンや、話題になっている場所は避けるのがおすすめ。

地元のツアーガイドをつけて、隠れスポットを巡るのも良し。今はグーグル翻訳やAI翻訳などを無料で使うこともできるので、現地のブログ・SNSから気になる場所を見つけるのも良し。ガイドブックにはのっていない現地ならではのグルメや建造物にも出会えるので、案外楽しいです。もちろん自分の楽しさを優先した行動は避け、その場への配慮を忘れないことが大前提です。

おわりに

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エシカルツーリズムをしようと思っても、いつもと違う行動をしたり下調べをするのは、少し面倒くさいかもしれません。しかし、普段の観光では気づけなかった現地の魅力や課題に気づけたり、思いもよらないきれいな景色に出会うことができます。このように楽しみや気づきが増えていくのは、「少し面倒くさいステップ」のなかだからこそ、見つけられること。

まずは1つ、簡単なことから行動を変えてみる。その積み重ねによって、今自分が楽しんでいる環境を守り、大切な人はもちろんのこと会ったことのない人にも届けられるようになるのであれば、少し面倒くさい観光も良いかもしれません。

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