ラクダのコブの仕組みは?暑さにも寒さにも強いラクダは汗をかかない!?
2023.8.16
目次
今回はラクダについてみていきます。
灼熱の砂漠にいるイメージですが、驚いたことにラクダはほとんど汗をかかないそうです。
汗をかかないラクダ
ラクダは気温49度の灼熱の砂漠でも、ほとんど汗をかきません。
私たち人間を含めた哺乳動物は、体温を一定に保つために、体内から熱の放出を調節しますが、この調節に欠かせないのが汗です。
気温の高い環境下や、運動をして体温が上がると、汗をかいて体を冷やします。
体の表面の水分が蒸発することで、体の熱エネルギーを奪い、自分の体温を上げすぎないようにコントロールしているのです。
では、ラクダはどうやって体温を調節しているのでしょうか。
ラクダの体温調節。暑さにも寒さにも強い!?
ラクダの体温は通常36度前後ですが、外気温に合わせて34~40度に変化させることができます。
周りの環境に自身の体温を合わせることで、外気温と体温の差を減らし、体内の水分を逃さずに暑さに耐えることができるのです。
ほとんど汗をかかないので水分はかなり節約でき、何日も水を飲まなくても生きられるのは、こうした体のしくみがあるからです。
砂漠のような水を摂取しにくい環境で、極力水分が出ていくのを防ぐために、自身の体温を変化させる能力を身に付けるなんて、すごいですね。
もちろん尿の水分量も最小限にするため、その濃度は海水の2倍と高く、排出される量も1日で1リットル程とかなり少なめです。
体から出ていく水分量を抑えることで、砂漠に生きるのに特化した体になっています。
そして、この体温調整に加えて、ラクダの毛は極寒に耐えれる高い保温性があることでも知られています。
この毛皮のおかげで、砂漠地帯の急激な冷え込みにも耐えることができるのです。
暑さにも寒さにも強い身体の構造をラクダは身に付けているのですね。
ラクダは血液に水分を蓄えられる
人間の場合は体重の1割程度の水が失われると生命に危険が及びますが、ラクダは4割が失われても生命を維持できるそうです。
そして水を摂取する時には一度に莫大な量を飲むことができ、その量は一度に80リットル程度、最高で136リットルにもなります。
その水は血液中に吸収され、大量の水分を含んだ血液が循環するしくみになっています。
ラクダ以外の哺乳類では、血液中に水分が多すぎると、その水が赤血球中に浸透し、その圧力で赤血球が破裂してしまいますが、ラクダでは水分を吸収して2倍に膨れ上がっても破裂しません。
ラクダの赤血球って強いですね!
さらに通常であれば水分の少ない血液は濃くなり、成分同士がくっついてどろどろになってしまいますが、ラクダの血液は濃度が高くならず、固まったりもしない特性を持っています。
これも水分維持のための体のしくみで、ごくわずかな水の量で生きるための能力です。
ラクダが砂漠で水なしでも10日以上生きられるのは、蓄えた水分をできるだけ消費させない体のしくみが備わっているからなんですね。
生き物にとって、どれほど水が大切か改めて感じるとともに、ラクダの体のしくみにも驚くばかりです。
ラクダのコブには何がある?
ラクダの特徴といえば、コブ。
あのコブには脂肪が詰まっています。
この大量の脂肪のおかげで、数日~数カ月、ラクダは何も食べなくても生きていけます。
またこの脂肪にも少量の水素が混じっており、脂肪を燃焼させることで少量の水を作りだすこともできます。
まとめ
今回はラクダの身体の仕組みについてご紹介しました。
過酷な砂漠で生きていくための身体へと進化したラクダ。
こういう情報を知ってからラクダを見ると、また見え方が変わってきますね。