飼ってから後悔しないために!人気犬種別に見るデメリット(パート2)
2024.9.12
目次
前回の記事では、人気犬種に潜んでいるデメリットについてお伝えしました。
人気のある犬種は、SNS やインターネットで見かけることが多いかもしれません。
偶然立ち寄ったペットショップにいる人気犬種を見つけて、一目ぼれしてそのまま家族に迎えたという経験があるかもしれませんね。
憧れの人気犬種をこれから一緒に過ごせるんだ。そう思うと本当にワクワクした気持ちになりますよね。
でも、運命の出会いに喜んでいざ飼い始めると・・「こんなに世話が大変な犬種だとは思わなかった」「もっとよく調べてから飼えばよかった」と後悔する人は、実は少なくありません。
犬の寿命は約15年ほど。結構長いですよね。
後悔しても「やっぱりやめます!」なんて引き返すことはできません。
できれば、人気があるかどうかではなく、十分な情報(特にデメリット)を調べて、自信をもって家族として迎え入れたいものですよね。
そのほうが私たち飼い主にとってだけでなく、犬にとっても幸せな生活を送れることは間違いありません。
では、どこで犬種別のデメリットを知ることができるんでしょうか?
ペットショップの店員さんに聞いても、その犬種のデメリットはあまり詳しく教えてくれないかもしれません。
というのも、ペットショップにとって人気犬種は”よく売れる商品”だからです。
売れてほしいわけですから、店側から積極的にその犬種のデメリットを伝えることはないでしょう。
この記事を見れば、人気犬種別のデメリットがよくわかります。
前回の記事では、ジャックラッセルテリア、フレンチブルドッグ、ダックスフント、柴犬のデメリットをお伝えしました。
この記事では、トイプードル、大型犬全般、チワワ、ミニチュアシュナウザーについてご紹介します。
飼ってから後悔する前に!ぜひご一読ください。
ではパート2にさっそく行ってみましょう!
トイプードル
プードルの原産国はフランスで、水辺にいる鳥を捕る狩猟犬として作られました。
足先や胸や尾の先にだけ毛を残す昔ながらのプードルカットをご存じかもしれません。
尾や頭の毛だけ残すのは、人間に鳥と間違われて撃たれないため。
胸だけ毛を残すのは、冷たい水の中を泳ぐときに心臓を守るため。
このように、プードルはまさに狩猟犬として長く人間と生活を共にしてきました。
最近は昔ながらのプードルカットより、テディベアカットのほうが主流ですね。
テディベアカットは熊のぬいぐるみのように見せるカットです。
この可愛らしいカットが流行りだしてから、トイプードルの人気は爆発的に飛躍しました。
実際、15年連続で人気犬種ランキング1位を誇っています。
参照: Number of dogs registered by breed.jkc.or.jp
すごいですよね。これはつまり、トイプードルはよく売れる犬種だということです。
この、よく売れるということがデメリットになります。
どういうことでしょうか?
普通、すべての犬種にはその犬種と呼ばれるための厳格なルールが存在します。
骨格、サイズ、歯並び、気質、色などです。
本来ブリーダーは、このルールを守って繁殖しなければいけません。
安定した性質の犬種を守り、代々受け継いでいくためです。
参照:Correct dog breeding.jkc.or.jp
しかし残念なことに、爆発的な人気を博した犬種は、多少ルールが崩れていても簡単に売れてしまいます。
少しくらい大きくても、少し脳に障害があっても、親犬の骨がもろくても・・どうせ売れるんだったら気にせず繁殖させちゃおう!
こんなふうに繁殖ルールが乱れてしまうと、体格も性質も不安定なトイプードルが蔓延してしまうのです。
これは人気犬種第1位を誇るトイプードルの大きなデメリットといえるでしょう。
きちんと守られたルールの中で繁殖されたトイプードルにも、実は大きなデメリットがあります。
それはズバリお金がかかるということです。
トイプードルは、トリミングがどうしても必要な犬種です。
トイプードルの毛は切らない限りずっと伸びつづけるだけでなく、強くカールしています。
ほおっておくとすぐに毛玉になってしまうので、月に1回のトリミングは欠かせません。
プードルはお手入れに手間がかかるので、ほかの犬種に比べてトリミング価格が高めです。
1回のトリミングで5000円〜10000円は見ておいたほうがいいでしょう。
またトイプードルは遺伝的に骨の病気にかかりやすいとされており、足のお皿が外れる膝蓋骨脱臼や骨折に注意が必要です。
犬は人間と違って保険がきかないので、莫大な手術費用や入院費用を払えるかどうかも計算に入れておく必要があります。
そして、トイプードルは賢い犬種としても知られています。
小さい時からきちんとしつけておかないと、家族のリーダーになろうとして攻撃的な性格になってしまいます。
大型犬全般
ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ドーベルマン、秋田犬、ワイマラナー・・大型犬は世界に50種類以上あるとされており、いつの時代も大変な人気です。
TikTokやInstagramを見ていると、大型犬と戯れる様子は羨ましく感じますよね。
いつかカッコいい大型犬を飼いたい!と夢見ている人は多いでしょう。
では、大型犬を飼うにあたってのデメリットを考えましょう。
大型犬は、大人になると25kgから40〜50 kgになります。
ちょっと想像してみて下さい。お米30キロより重いわけですから、かなり大きいですね。
この大きさがデメリットになります。
小型犬が1日に食べるフードの量は多くて150gですが、大型犬が1日に食べるフードの量は、およそ1kgです。
ドッグフードの価格にもよりますが、月に最低でも1万円はかかるでしょう。
そして大型犬はお手入れの値段も飛び抜けて高いです。
トリミング1回につき、1万5千円から2万円かかります。
大型犬は匂いもキツくなりがちなので、少なくとも1ヶ月に1度はトリミングに出す必要があるでしょう。
また、動物病院で処方されるワクチンや薬は体重によって変わるので、小型犬中型犬より必然的に高くなります。
年間6〜10万円はかかります。
このように、金銭面での負担が大きいというのが、大型犬のデメリットのひとつです。
デメリットふたつめは、散歩が大変ということです。
20分のランニングほどの激しい運動を、1日最低2回は行なう必要があります。
散歩が足りないと、犬は有り余ったエネルギーを持て余して、家の中で暴れるでしょう。
また運動不足はストレスになるので、噛み癖がついたり、しつけがうまく入らなくなってしまいます。
大型犬を飼いたい場合は、激しい運動を毎日できる家族が複数人いるかどうかを考えましょう。
デメリット3つめは、介護が大変ということです。
何十キロもある犬の介護はものすごく大変です。
歳を取ったり病気になると、犬は自分で排便排尿できなくなることがあります。
ただでさえ介護は大変ですが、大型犬の尿や便は大量なので、もうめちゃくちゃ大変です。
また、床ずれを防ぐために、しょっちゅう体の向きを変えてあげる必要もあります。
寝たきりになった犬の体を移動させるだけでも大変な労力になります。
大型犬を介護する可能性を考えると、飼い主にも体力が求められるということが分かりますね。
チワワ
チワワの原産国はメキシコで、元々は高貴な人の間で愛玩犬として飼われていたとされたり、食用として飼育されていたなど諸説あります。
居住区が比較的狭い日本では、サイズが小さく飼いやすいということでチワワは非常に人気のある犬種です。
大きな目とアップルヘッドという丸い頭が特徴ですが、実はこの特徴こそがデメリットとなることがあります。
目がとても大きく飛び出ているので、角膜炎や結膜炎になりやすいとされています。
また、頭に衝撃が加わった時に眼球がポンと出てしまう眼球突出にもなる確率が高いようです。
この眼球突出は、強い痛みが伴うだけでなくショッキングな見た目にもなります。
体の小さなチワワは特に優しく扱う必要があります。
また、りんごのように丸いアップルヘッドがチワワの特徴ですが、頭が大きいゆえに脳の障害を抱えやすいともされています。
例えば、水頭症は脳の中の髄液が溢れて脳を圧迫することで、色々な障害を引き起こします。
チワワは、急にキレたり痙攣したり神経異常を起こす子が他の犬種に比べて多いようです。
原因として性質的な遺伝もありますが、脳の病気が関係しているとも言われています。
生まれたばかりの人間の赤ちゃんは、頭蓋骨が柔らかくまだ成長しきっていませんよね。
チワワは、頭の骨が形成されるまでに他の犬種より時間がかかります。
それで、ある程度成長したからと言って頭を軽くこついたりするのは絶対にNGです。
ミニチュア・シュナウザー
シュナウザーのサイズは、ジャイアントシュナウザー、スタンダードシュナウザー、ミニチュアシュナウザーの3種類に分かれています。
私たちがよく目にするのは1番小さいミニチュアシュナウザーですね。
シュナウザーだけでなくテリアのカットは、毛を硬くするために切ったり刈るのではなく、毛を抜く方法がとられてきました。
毛を抜かれるのは犬にとってやはり痛いので、動物愛護の視点から、現在ほとんどのカットはバリカンやハサミで行なわれています。
「シュナウツ」はドイツ語で「口ひげ」を意味している通り、おじいさんのようなシュナウザー特有のカットが有名です。
あのヒゲのカットが可愛くて、シュナウザーが好き!という方も多いんじゃないでしょうか。
シュナウザーは14世紀頃に、番犬、ネズミなどの駆逐用犬として、ピンシャーやテリアなど様々な犬種を配合してドイツで作られました。
シュナウザーの名前に「テリア」は入っていませんが、性格や毛質などにテリアの要素が入っているのはそのためです。
シュナウザーは小動物を追いかけるために作られたので、動きが非常に機敏です。
また、番犬としても活躍できるように、敵と戦える筋肉質な体とよく通る声を持ち合わせています。
この機敏さと番犬性質がデメリットになります。
シュナウザーは小さいものをしつこく追いかける本能があるので、よくしつけていないと小さい子供を追いかけたり咬んだりしてしまうことがあります。
シュナウザーの顎の力は小型犬に比べると強く、その力は100㎏になるとも言われており、咬まれどころが悪いと大きな怪我につながってしまいます。
また知らない人への警戒心が強いので、家族以外の人に攻撃的になったりずっと吠えたりしてしまうこともあります。
しかし、シュナウザーは賢くしつけが入りやすい犬種でもあるので、あきらめずにしつけるなら攻撃性を抑えることもできるでしょう。
まとめ
いかがでしたか? あなたの気になっている犬種は入っていたでしょうか?
人気の出る犬種は時代によって変わりますが、人気があるからといって自分にとってベストなパートナーになるとは限りません。
むしろ、人気犬種は主に見た目の可愛らしさによるところが多いので、そこだけで選んでしまうと失敗する確率が高くなるでしょう。
この記事では、トイプードル、大型犬全般、チワワ、ミニチュアシュナウザーのデメリットについて取り上げました。
他にも世界にはたくさんの犬種がいます。
一目ぼれで選ぶのではなく、その犬種のデメリットをよく調べましょう。
デメリットを乗り越えられたら、その犬はきっとあなたにとって最高の相棒になるに違いありません。