コアラってどんな動物?コアラの得意なことやストレスは?生態を知ろう!
2024.1.30
目次
可愛いくて動物園でも人気の高いコアラ。けど、意外と知らないコアラの生態。
今回はそんなコアラについて見ていきましょう!
コアラといえばオーストラリア
コアラと言えば日本でも様々な動物園にいますが、イメージが大きいのはオーストラリアにいる可愛い動物、だと思います。
コアラが有名なオーストラリアという国はアボリジニ、トレス海峡諸島民の土地でした。そのためこの国には先住民の人々が話す言葉をもとにつけられた名前が地名なども含めいろいろあります。
例えば「ウルル」という名。これは、日本では「エアーズ・ロック」とも言われています!
エアーズロックは、ウルルは先住民の人々の神聖な場所であるということから、先住民の人々を尊重して先住民の人々が呼ぶ「ウルル」と名称が変更されました。
そのため、エアーズロックもウルルも同じで、どちらで呼んでも正解ではありますがウルルと呼ぶ方が良さそうですね!

ちなみに先住民の言語をもとにつけられた名前は発音が難しく、普通の英語っぽく発音すると違ってしまうことがあります。
実は、Koalas(コアラ)という名前も先住民であるアボリジニの人々の話す言葉と深いつながりがあります。
オーストラリアのニューサウスウェルズ州にはマウンテンというとても有名な山があります。
そこからパラマタ(シドニーへの通勤圏内の位置)という場所あたりに広がっているアボリジニのダルグ族の人たちの言葉でコアラとは「no water (水を飲まない)」という意味になります。
また、先住民の人々は部族によって異なる言語を話します。そして、コアラも別の呼び方をされています。例えば、クイーンズランド州に住む他の部族の言語ではそれぞれ、dumbirrbi、marrambi、borobii、dumbribbi などと呼ばれます。これらはすべてコアラを意味します。しかし、先住民の人々も英語を話す人が多いのでコアラで通じます。
どこに行けば野生のコアラに会える?コアラの生息地
コアラはどこに生息しているのでしょうか?
オーストラリア全土に生息している訳ではなく、主に東側の州に住んでいます。以下の4つの州で確認されています。
ビクトリア州と南オーストラリア州は東側ではありませんが、小さなエリアで生息が確認されています。
同じ国内といってもとても広く、気候や気温など全然違うのでコアラの生息にあった地域のみに生息するというのも納得できます。
コアラの得意なこと、生活の場所
コアラは木の上で生活します。ゆっくりと歩いているイメージがある通り、コアラは歩くのは苦手ですが、実は木登りが得意なんです!
ゆったり動いているイメージなコアラですが、実は体の脂肪が少なく筋肉質な生態です。 特に、木登りする時は、体を支えられるよう手足は長く、力は強いです。 前足と後ろ足の長さは、ほぼ同じ長さで、他の動物と比べて太ももと、すねの筋肉が短い位置で着いているため、楽々と気に登ることができます。
木の上では始終寝ていることが多いです。時折、木の上で場所移動をしたりしますが。地面を歩くことは「緊急事態」と木と木の間を行き来する以外はほとんどありません。

以前、ビクトリア州であった山火事では、たくさんの木が燃えました。やけどを負いつつ喉がカラカラになった緊急事態のコアラが(レスキュー後サムと名付けられました)消防士のおじさんの差し出す手に自分の手をのせて、直接ペットボトルで水を飲ませてもらっていた姿は、今でも忘れられません。
また、餌となるユーカリにも種類があり、コアラがどんなユーカリでも食べる、というわけではなく、自分に馴染みのあるユーカリ以外は食べないことも多いようです。そのため、山火事でユーカリが燃えてしまうということは、コアラのエサも失ってしまい、山火事でケガをしたコアラが元気になって木に戻るにも肝心の木がないという状態になります。エサがないということはコアラの生態にも影響があります。
水を飲まないコアラの生態
「Koalas (コアラ)」には 先住民の人達の言葉で、「no water (水を飲まない)」という意味があります。そもそもコアラは水を全く飲む必要がないと考えられていました。たまたま食べたユーカリの葉についていた水分から摂取する、雨の後に葉っぱについていた水滴を無意識に摂取する、木の幹をなめて水分をとっていると考えてられていました。
ではコアラはなぜ水を飲まなくても生きていけるのでしょうか?
それはコアラの被毛に秘密があります。
コアラの被毛は特殊で、一定の体内水分量を保つことができます。たとえ暑いところでも、体内の水分が蒸発しにくくなるように守ってくれます。またコアラは尿を凝縮する機能があり、尿を少なく排出するため体内の水分を節約することができます。そのため、干ばつでも生き延びられると言われています。
結果としてコアラは水をほとんど飲まない、または飲まなくても生きていけるのです。
そのため、あえて「水を飲む」という行動は普段はしません。しかし山火事などの災害での熱など、緊急事態があると飲むと考えられています。 山火事でコアラがペットボトルから水を飲む姿は本当にコアラにとって緊急事態であると表しています。
ちなみに個体差はありますが、一日に大体510g (500~800g程度)のユーカリの葉を食べると言われています。この量のユーカリを摂取することにより、夏と冬に必要な水分の3分の4が摂取できると考えられています。 実際に何リットルくらい飲むのでしょうね。ユーカリの葉自体は50%程が水分だそうです。
赤ちゃんコアラの生態

コアラはカンガルーと同じ有袋類です。
赤ちゃんコアラは発育が不完全のまま生まれ、すぐにお母さんコアラの袋に入る習性があります。
発育不完全というと、ちょっと驚いてしまいますが、コアラの生態としては問題ありません。
約2センチほどの大きさで生まれます。目も見えず、体毛もなくため、いわゆるコアラのかわいいという状態と程遠い姿で生まれます。
お母さんの安全な袋の中で育ち、袋の外に出るまで母乳で育ちます。
お母さんの袋の中で6ヶ月ほど過ごした後、今度はお母さんコアラの背中に乗って1歳になるくらいまで過ごします。
生後6〜7ヶ月くらいから、母乳をから母コアラのうんちを食べるようになります。このうんちはバップとよばれており、離乳食のようなもので、コアラの食べ物のユーカリの葉を消化する微生物を母コアラからもらって行きます。赤ちゃんコアラがユーカリの葉を消化できるようになったら離乳食を卒業し、ユーカリを食べるようになっていくのです。
よく寝るコアラの睡眠時間

コアラは人生の98%を木の上で過ごします。また夜行性でもありますが、一日に20時間ほど眠ります。
でもなぜそんなに寝るのでしょうか?
実際のところ食べ物の消化にとてもエネルギーを使うので、ムダな体力消耗を防いでエネルギーを節約するために、寝る時間が増えるのだそうです。
コアラのエサとなるユーカリには毒があり、コアラにはこの毒を排出する機能があるため食べても体調に影響はないそうです。ちなみに人がユーカリを食べるとお腹を壊すくらいで命に関わることはないそうです。
実はストレスを感じるコアラ
コアラは1日20時間以上寝ている生態のため、のんびりとリラックスしているイメージがあります。
しかし、ウエスタンシドニー大学によるとコアラもストレスを感じることがあるという調査の報告があったそうです。
都市部〜田舎の地域に、野生のコアラは住んでいますが、そのコアラたちは人間の手による土地の伐採やブッシュファイヤーと呼ばれる山や草原など人が介入していないところの火事から強いストレスを受けます。またこのことは、車との衝突や、犬に襲われたりすること、病気になることよりもストレスが強いそうです。
火事でコアラがストレスを強く感じる理由
私たち人間は、自分が安心して住める場所や食事がないと非常にストレスを感じます。もちろん、交通事故にあったりすれば大きなストレスを受けますが、生活の基盤としてそれらを大切だと考えます。
これはマズローの5つの欲求に物質的要求の中の生理的欲求と安全欲求 に当てはまり、コアラもまた、私たち人間のように まずは安全に暮らせる木や森があって、そして食料となるユーカリがあることが非常に大切だと考えられます。
そのため人が森林を伐採することや、ブッシュファイヤーで住処を失ってしまうことはコアラは、大きなストレスを抱えていると考えられます。
この調査の中で言われているのは、コアラが様々な理由によって、ストレスを感じているだろうということは周知の事実だったんですが、ストレスレベルを数値化して保護区に住んでいるコアラと比べると、特に森林伐採の影響を受けているコアラは慢性的な強いストレスを表し、高いコルチゾール(ストレスを表すホルモン値)示したそうです。
・感染病になりやすい。
・生殖体型へ影響が出る。
・死亡率が高くなるリスクが増える。
私たち人間と共存しつつ、コアラたちを守るためには、もっとコアラの生活領域を確保する必要があると結論づけています。
保護区のコアラだけではなく、山火事で減ってしまったコアラたちも出来るだけストレスがなく生活できるといいですね。
まとめ
今回はオーストラリアで有名なコアラついてご紹介させていただきました。カンガルーと同じ有袋類で、赤ちゃんコアラはお腹の中で過ごします。もし赤ちゃんのシーズンにオーストラリアに来た際には、コアラの愛らしい子育て姿が見られるかもしれませんね。