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アライグマ

アライグマの特徴や生態をご紹介。なぜ害獣になっているか。

2023.7.23

目次

今回はほぼ日本全国に分布し野生で繫殖もしているアライグマについてご紹介します。

アライグマの特徴や生態

哺乳綱食肉目アライグマ科アライグマ属

体長は40 ~ 70cmくらいで、中型哺乳類にあたる。

アライグマ属なのでタヌキやキツネとは違うのだが、外見が似ている為良く間違われる。

アライグマの見分け方の特徴としては尻尾にある縞模様(しまもよう)である。

特にタヌキと間違われるので、この尻尾の違いは分かりやすいポイント。

他の見分け方としてタヌキは犬や猫と同じで爪先で歩くのに対して、アライグマはかかとまで足がつく。

アライグマ
画像引用元:Pixabay

アライグマは外来種?

アライグマは外来種です。元々日本には生息しておりませんでした。

なぜ現代の日本にアライグマがいるかというと、人間が飼育していたアライグマが野生化したものです。

1970年代に流行したアニメでアライグマが一気に大人気に!多くの一般家庭で飼育されました。

ただ一部の家庭ではアライグマの生態への理解が乏しく、飼育していたアライグマを野生へ放出したり、アライグマ自身が逃亡したり。それが野生で繫殖して現代にいたると考えられています。

現代の日本では北海道・関東・中部・関西・九州と、ほぼ全国に生息しており、餌を求めて街中に出没することもある。

アライグマは害獣扱い?

日本ではアライグマは特定外来生物とされ、農産物や在来種の生態系の破壊をもたらす害獣として取り扱われることがあります。

アライグマは雑食性で、果実や野菜や穀類などの植物から小型鳥類や昆虫などの生物まで多くの種類を捕食します。またアライグマを捕食する生物が日本にはほとんどいないとされており、繫殖が拡大しております。

個体数が増加すれば、捕食される野菜などが増加する。人間が営んでいる農産物が狙われる。

これがアライグマの農産物被害であり、害獣として認識される部分でもあります。

アライグマに捕食される小型生物の個体数減少にも繋がる部分も懸念される点です。

出典:アライグマ防除の手引き 環境省 自然環境局 野生生物課 外来生物対策室

アライグマ
画像引用元:Pixabay

野生のアライグマに会ったら?

すでに日本のほぼ全国へと生息地が拡大しているアライグマ。

河川敷や山など、自然豊かな場所で主に野生のアライグマを見かけます。

そういった自然豊かな場所で目撃した場合は、まずは近寄らない・餌を与えないといった意識が大事です。

追い詰めたり・脅かしたりと刺激を与えると、人間に危害を加える可能性もあります。

そっとその場を離れてください。

自宅などの屋内でもし出会ってしまったら、自治体もしくは専門会社にご相談してください。

地域によって対応が変わります。

ただ、基本アライグマは、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」により、許可なく捕獲することが禁止されています。

そのため、個人の判断で対応するのは注意が必要です。

まとめ

日本では元々いないとされているアライグマ。人間が輸入し、それがきっかけで野生化し繫殖。

そして特定外来生物として害獣となり、駆除の対象にもなる。

農業をされている方や、地域によってアライグマの被害を受けている方がたくさんいる為、駆除の対象になるのは仕方の無いことかもしれません。

これは外来種だけではなく在来種にも言えることですが、人間と野生の動物が同じ地で生きている以上、何らかの形での接触は発生します。

その地域や環境ごとで駆除の対象・保護の対象という考え方が分かれるのも理解はできます。

共存とは理想ばかりですが、少しでも人間と野生の動物両方にとって、良い環境になるように取り組みをしていかないといけないですね。

そして、在来種だけでもそのような問題は多々ありますので、アライグマのような外来種で問題数をさらに増加させないように意識も必要です。

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