チアセブンアーチ-自然や動物の様々な情報を扱うウェブメディア

アマミノクロウサギ

天然記念物と特別天然記念物の違いとは?天然記念物になっている動物も見てみよう!

2025.4.17

目次

日本には多くの自然景観や動物が存在し、それらを保護するために「天然記念物」という制度があります。

そして、その中でも特別な価値を持つものが「特別天然記念物」として指定されています。

今回は、この「天然記念物」と「特別天然記念物」の違いご紹介します。

天然記念物と特別天然記念物の違いとは?

天然記念物と特別天然記念物にはどのような違いがあるのでしょうか?

天然記念物って何?

天然記念物とは、国や自治体が指定する文化財のうち、学術的な価値が高い自然物(動植物・地質・鉱物など)を保護するために指定されたものです。

簡単にいうと、「日本の自然にとってとても大事だから、みんなで守っていこう!」という国のお墨付きです。

・絶滅のおそれがある動物
・限られた地域にしか存在しない植物
・珍しい地形や現象

などが対象になります。

特別天然記念物って何?もっとすごいの?!

特別天然記念物は、さらに国の重要な文化財として指定されたもので、非常に高い学術的価値が認められたものです。

保護の重要度がぐんとアップし、管理や調査もより厳しく行われます。

例えば「ニホンカモシカ」は昭和9年に特別天然記念物に指定され、日本固有種として特に手厚い保護を受けています。

指定された文化財を大切に保護していくことが、日本の豊かな自然を守ることにつながります。

ニホンカモシカ
画像引用元:Adobe Stock

指定の基準は何か?

指定の基準は、文化財保護法によって定められています。

天然記念物に指定するには、学術上の価値があるものであることが必要です。

また、珍しい種であること、生態系に対する影響が大きいものであること、自然科学的に重要なものであることなどが指定に考慮されます。

特別天然記念物に指定されるためには、天然記念物の基準に加え、国際的な価値があるものであることも求められます。

このように厳しい基準を満たす自然物が指定され、日本の自然を守るための大切な取り組みが行われているのです。

指定されている動物はどのようなものがあるか?

日本の特別天然記念物に指定されている動物は、トキ、ニホンカモシカ、オオサンショウオ、ライチョウ、コウノトリ、アホウドリ、メグロなどがあります。

特徴をみてみましょう。

トキ:朱色の羽が美しい。かつて絶滅寸前だったが、保護活動で復活中。
ニホンカモシカ:日本固有種でシカではなくウシの仲間。
オオサンショウウオ:最大級の両生類。「生きた化石」とも言われる。
ライチョウ:高山に生息し、冬は真っ白な羽に変化する。
コウノトリ:赤ちゃんを運ぶ鳥として有名。

これらは学術的な価値が非常に高く、日本の自然を紹介するうえで欠かせない存在です。

また指定された場所での生息状況や調査によって、より詳しい生態や生息域の明確化なども進められています。

これらの動物たちが健やかに生息し、未来に引き継がれていくよう、私たちも自然環境の保護につながる行動を心がけましょう。

コウノトリ
画像引用元:Adobe Stock

指定されている植物はどのようなものがあるか?

天然記念物に指定されている植物には、厳しい環境に適応して生き残ってきた希少な植物が多く含まれます。

ショウジョウバカマ:岩場に咲く可憐な山野草
キタダケソウ:日本の高山植物の代表格
ニッコウキスゲ:高原に咲く黄色い花で、夏の風物詩

などのように、独自の形や生態を持つ植物たちが選ばれています。

ニッコウキスゲ
画像引用元:photo AC

また、天然保護区域で自生しているものや、植物相の変化に伴って現在まで残されたものも多数指定されています。

そのような植物の指定は、わが国の自然環境における多様性と貴重性を高めるとともに、自然環境の保護にもつながる重要な取り組みとなっています。

特別天然記念物に指定されるためには?

特別天然記念物に指定されるためには、その動物や植物が世界的に希少かつ貴重であることが求められます。

また、その生物が環境や気候、地質的な条件などによって独自進化を遂げていることや、文化的・歴史的な意義を持っていることも大切なポイントです。

このような特別天然記念物に指定される生物は、一般的な天然記念物よりも特別な保護が必要なため、厳しい条件をクリアしていると言えます。

日本の豊かな自然を守るため、これらの生物たちが未来に残るように取り組むことが重要です。

ニホンサル
画像引用元:Adobe Stock

海外にも天然記念物はあるの?

「天然記念物」って日本だけのものなの?と思った方もいるかもしれませんが、実は似たような制度は世界各国にも存在します。

例えば

アメリカでは「National Monument」として、自然景観や歴史的価値のある地域を保護。

イギリスでは「SSSI」という仕組みで、生態系や地質が貴重なエリアを守っています。

参照元:NATIONAL PARKS CONSERVATION ASSOCIATION

「National Monument」の説明の動画です。ご興味のある方はぜひご覧くださいませ。

動画引用元:National Park Diaries

世界中で自然や生物の保護はとても大事にされているんです。
それぞれ呼び方や制度は違っても、「未来に残したい自然を守る」という想いは世界共通ですね!

まとめ

今回は天然記念物と特別天然記念物の違いについてご紹介しました。

天然記念物は国が指定した学術的価値の高いもの。

特別天然記念物はさらに重要なもの。

こういう違いがあるようですね。

自然そのもの、動物が天然記念物の対象になっていると、保護の対象になるだけでなく、その土地の観光客の集客にも繋がります。

この集客によって収益があがることを考えると、その収益をその土地・動物の保護に還元できる仕組みがもっと発達すれば良いなと個人的には思っています。

関連記事