丹頂鶴は「つがい」で生きる渡り鳥?
2025.11.18
目次
丹頂鶴(Red-crowned Crane, Grus japonensis)は、東アジアの湿地に暮らす大型のツルで、国際的に絶滅危惧種に指定されています。
今回はそんな丹頂鶴についてご紹介していきます。
丹頂鶴がつがいで行動する理由
丹頂鶴は長期的な一夫一妻のペア(つがい)を形成し、合唱(デュエット)や求愛ダンスで結束を強めます。
この丹頂鶴のペアはなわばり宣言・ペア維持の機能を持ちます。また、繁殖期には2卵前後を産み、抱卵・育雛を雌雄で分担していくんです。
雛は成長後もしばらく親と一緒に同行し、秋に家族群として群れに合流します。こうして協働していくことで、厳しい湿地環境での繁殖成功を支えているんだそうです。

丹頂鶴は渡り鳥?それとも留鳥?
丹頂鶴は大陸個体群はロシア極東・中国東北部で繁殖し、冬は中国東岸(江蘇省塩城や黄河デルタなど)や朝鮮半島へ渡る典型的な渡り鳥がいます。
その一方で、日本の北海道個体群は通年定着する留鳥で、季節を通して同じ地域で生活します。
地域の環境や餌資源の変化に応じて戦略が分かれている点が丹頂鶴の特徴です。

丹頂鶴の生態の要点についてご紹介
丹頂鶴の繁殖地はロシア極東や中国東北部、そして日本の北海道東部。湿原・河畔草地・浅い沼沢など、水と草地が出会う環境を好みます。
繁殖は春、営巣は見晴らしのよい湿地縁辺部が多く、つがいは合唱することでなわばりを巡回・防衛。非繁殖期には家族群で行動しつつ、ねぐらと採食地を行き来します。こうした年周期の行動は、湿地保全や採食環境の維持と強く結びついています。

まとめ
丹頂鶴は、長く結ばれたつがいが協力して子を育て、渡りを行う大陸個体群と、留鳥として北海道に定着する島嶼個体群から成りたちます。
生態の理解と湿地を守ることが、丹頂鶴がこの先の未来も生存していく、最も確かな手立てだなと感じました。
















