エゾタヌキとホンドタヌキの違いは?北海道のタヌキの生態
2026.8.27
目次
「北海道のタヌキは、本州のタヌキと違うの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?!
タヌキは日本中どこにでもいるイメージがありますが、北海道にすむものはエゾタヌキと呼ばれます。そして本州のタヌキとは、暮らし方に大きな違いがあります。今回はその違いを見ていこうと思います。
エゾタヌキってどんな動物?
ネコ目イヌ科タヌキ属(タヌキの亜種)
北海道に分布
本州・四国・九州にいるのはホンドタヌキ
冬毛が長く密で、色が淡い
冬は巣穴にこもって過ごす
3Dモデルで見てみる
文章と写真だけでは伝わりにくい体つきを確かめられるように、この記事のためにエゾタヌキの3Dモデルを作りました。ドラッグで回すと、横からも後ろからも見られます。ずんぐりした胴と脚の短さは、真横から見るとよく分かります。
エゾタヌキはタヌキの亜種のひとつです。北海道に分布していて、本州・四国・九州にいるのはホンドタヌキになります。
ちなみにタヌキは、見た目からアライグマやアナグマと間違われることがありますが、イヌ科の動物です。キツネやオオカミと同じ仲間です。
出典:北海道森林管理局「エゾタヌキ」 https://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/komagatake_fc/animal/04_ezotanuki.html
見た目の違い
エゾタヌキのほうが「もふもふ」
一番分かりやすい違いは、冬毛です。
エゾタヌキは寒い地域にすむぶん冬毛がよく発達していて、ホンドタヌキよりもふっくらして見えます。色合いも淡めです。
体も、エゾタヌキのほうがやや大きめです。毛が密で長く、皮下脂肪もためやすい体つきをしています。全部、寒さに耐えるための仕様だと考えると分かりやすいと思います。
季節で別の動物に見える
ただし、これは冬の話です。
毛が抜けかわると、エゾタヌキも驚くほど細く見えます。「タヌキってこんなにやせているの」と思うくらい印象が変わるので、写真の季節を確かめてみてください。
一番大きな違いは「冬ごもり」
ここがエゾタヌキとホンドタヌキの、最大の違いです。
エゾタヌキは冬ごもりをしますが、ホンドタヌキは基本的にしません。
秋に体重を1.5倍近くまで増やす
エゾタヌキは秋のうちに木の実などをたくさん食べて、体重を1.5倍近くまで増やして、皮下脂肪をためこみます。
そして12月の終わりごろから3月にかけて、巣穴にこもります。
クマの冬眠とは違う
ただし、これはクマのような完全な冬眠ではありません。
体温はほとんど下がらず、代謝を落としてエネルギーの消費を抑えながら、じっと春を待ちます。暖かい日には外に出てくることもあります。こうした過ごし方は「冬ごもり」や「半冬眠」と呼ばれます。
ホンドタヌキが冬ごもりをしないのは、冬でも比較的食べ物が見つかるからです。北海道のように雪で覆われてしまう環境だからこそ、こもる必要があったということですね。
北海道では「ムジナ」との取り違えが起きにくい
本州では昔から、タヌキとアナグマが混同されてきました。「同じ穴のむじな」ということわざのムジナが、地域によってタヌキを指したりアナグマを指したりするのは、そのためです。
ところが北海道では、この混同がほとんど起きません。アナグマが北海道には分布していないからです。
本州で「タヌキだと思っていたらアナグマだった」ということはよくありますが、北海道でタヌキに似た動物を見かけたら、まずエゾタヌキだと考えてよいということになります。
「たぬき寝入り」は本当にある
驚いたときに動かなくなる、いわゆる「たぬき寝入り」。あれは作り話ではありません。
タヌキは強い驚きを受けると、体が固まって動かなくなることがあります。眠っているわけではなく、体がすくんで動けなくなっている状態です。
しばらくすると何ごともなかったように起き上がって走り去ります。ことわざのイメージとは違って、本人(本狸)は寝たふりをしているつもりはない、ということですね。
タヌキにまつわる言葉は他にもたくさんあります。タヌキにまつわる「ことわざ」の意味や由来でまとめています。
タヌキ共通の習性「ためフン」
エゾタヌキにもホンドタヌキにも共通する、変わった習性があります。
決まった場所にフンをためるという習性です。「ためフン」と呼ばれます。
同じ場所を何頭ものタヌキが使うことがあり、においや内容から、そこにどんなタヌキが来ているかを互いに知る手がかりになっていると考えられています。
言葉のかわりに、フン置き場が掲示板の役割をしている、ということです。
まとめ
今回はエゾタヌキとホンドタヌキの違いについてご紹介しました。
見た目では、エゾタヌキのほうが冬毛が発達していて、やや大きめで色が淡い。そして暮らし方では、エゾタヌキは冬ごもりをして、ホンドタヌキはしない。
同じタヌキでも、すんでいる場所の冬の厳しさに合わせて、体も過ごし方も変わっているということです。
北海道でタヌキを見かけたら、その季節と毛の様子に注目してみてください。冬前のふっくらした姿は、これから数か月こもるための準備の最中かもしれません。
なお、毛が抜け落ちてしまうタヌキを見かけたときは、病気の可能性があります。疥癬症になるタヌキについて考えるもあわせてお読みください。
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