渡り蝶。オオカバマダラの特徴や生態をご紹介
2025.6.10
目次
オオカバマダラは、毎年数千キロにおよぶ渡りをすることで知られ、世界中で注目されている蝶です。
今回は特徴やなぜ渡る?移動距離は?などの生態もご紹介していきます。
オオカバマダラの特徴とは?
・チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科
・体長約5cm
・翅開長約9.4〜10.5cm
・日本にはいない
生息地
北米の個体群は季節ごとに数千キロを移動する「渡り蝶」として有名です。
日本国内では野生のオオカバマダラは生息していません。ただ、似たような蝶は生息しているので間違いやすいポイントでもあります!

オオカバマダラは渡り蝶!
オオカバマダラは渡り鳥のように渡りをする蝶です。しかも何百万匹という集団で移動をします!!
オオカバマダラは秋に北米から越冬の為に、南米へと渡ります。食事をしながら・休憩を挟みながら南米を向かっていきます。
そして、春。オオカバマダラは北米へ交尾をし子孫を残しながら向かいます。
不思議なことに、オオカバマダラは南米へ向かう個体の寿命は9 ~ 10カ月に対して、北米へ向かう個体は1 ~ 2カ月と言われています。
つまり。
南米から北米へ向かう間に世代交代をしながら、北米に辿り着いた個体は、一度も見たことが無い南米へと越冬の為、渡っていくのです。
こちらに気温の上昇とともに、無数の蝶たちが一斉に舞い上がる幻想的な瞬間の動画を用意しました。まるで空がオレンジ色に染まるかのようなその光景は、まさに自然が創り出す奇跡です。ぜひご覧ください!
オオカバマダラは毒蝶!?
オオカバマダラは、幼虫の頃に食べた植物(トウワタ)に含まれる毒素が、体内に蓄積されたまま成虫になります。
そのため、成虫になったオオカバマダラは毒を持っており、たとえ命に関わるほどではなくても「苦くて不快」「体に悪い」と捕食者に認識され、一度襲われても二度と狙われなくなるのです。
このようにして、オオカバマダラは毒を利用して自分の身を守っているのです。

オオカバマダラは絶滅危惧
オオカバマダラは、2021年にIUCNレッドリストにて絶滅危惧種として認識されました。
農地開発によるトウワタの減少、気候変動、殺虫剤などが挙げられます。
農業や都市開発のための森林伐採などで越冬時の住処や食料の減少が原因の1つとして考えられています。
また気候変動も大きな影響を与えており、山火事なども個体数減少の要因になっております。
しかし、現在オオカバマダラの生息地を保護する活動も行われています。
植物のトウワタを植え、農薬の減少をすることで蝶の住処を保護しています。
こちらがトウワタ ↓

オオカバマダラの幼虫はこのトウワタを食べて成長します。
そして、このトウワタこそが毒草であり、オオカバマダラの防衛機能の毒になっています。
引用元:NATIONAL GEO GRAPHIC
引用元:World Wild Life
まとめ

オオカバマダラは渡りをする。寿命が生まれるタイミングによって異なる。毒を持っている。
など、不思議な特徴が多い蝶です。国内では昆虫館などでは観られることがあるかと思います。
珍しい蝶なので、一度は観てみたいですし、絶滅しないように取り組みをしていきたいですね。