タスマニアデビルは怖い?絶滅の危機を招いた伝染病とは?特徴や生態を知ろう!
2024.3.24
目次
今回はオーストラリアに生息する肉食動物のタスマニアデビルのついてご紹介します。
なぜデビルという名前が付いているのか?この肉食動物が怖いのか?その辺りを知ることでタスマニアデビルの魅力に気づくかも!?
タスマニアデビルとは?
タスマニアデビルは、哺乳綱フクロネコ形目フクロネコ科タスマニアデビル属の哺乳類です。肉食動物であり、有袋類でもあります。
有袋類は腹部に袋がある種類のことです。代表的な種類はカンガルーですね。
すでに絶滅してしまったフクロオオカミは有袋類の中でも最強種だったのですが、絶滅した現代で最強の肉食有袋類がタスマニアデビルになります。
タスマニアデビルは小型犬のサイズで、体重は4kgから14kgで身長は約30cmです。
どこに生息している?
タスマニアデビルは名前のとおり、オーストラリアのタスマニア島に生息しています。
タスマニア島にのみ生息している固有種になります。
英語表記がTasmanian devilの為、タスマニアンデビルと言う人もいます。
ただタスマニアンデビルで検索してもタスマニアデビルが出てくるので、タスマニアデビルの表記の方が正しいのではと思います。
かつてはオーストラリア本土にも生息していましたが、本土では絶滅してしまいました。
何を食べている?
タスマニアデビルは肉食動物で主に死肉を食べています。哺乳類の肉だけでなく、鳥類や昆虫類なども食べます。タスマニアデビルの顎はとても強力で骨も砕きます。
その為、タスマニアデビルはほとんど食べ残しが無く、獲物は跡形も無くなると言われています。
夜行性で時には獲物を探して約16kmの距離を移動することもあるそうです。
参考:Tasmanian Devils – Bush Heritage Australia
タスマニアデビルの名前の由来は?怖い?
タスマニアデビルのデビルについて、なぜ悪魔なのでしょうか。
悪魔と言われる理由①
理由の1つは鳴き声です。こちらは、タスマニアデビルの動画です。
このうなり声・鳴き声が怖い印象を受けます。
悪魔と言われる理由②
2つ目の理由は悪魔と言うより、怖いと言われる理由ですが、食事の時の攻撃性が怖いと言われています。
タスマニアデビルは食欲旺盛なので、獲物を見つけるとタスマニアデビル同士で奪い合うことは日常茶飯事です。
その姿が怖い!という印象を与えているのではと思います。肉食動物で鋭いキバもあるので、怖いと感じるのは当たり前なのですけどね。
悪魔と言われる理由③
単純に見た目というかキバが怖い!悪魔みたい!と言われることも。こちらのタスマニアデビルの写真をご覧ください。確かに同じ肉食動物のライオンとかと比べると何か怖いですね…
悪魔と言われる理由 まとめ
この鳴き声や暗闇で動く姿・目などが、タスマニアに住む悪魔のようなのでタスマニアデビルという名前になったと言われています。※諸説あります。
実はかわいい?
このように怖い・悪魔という印象があるタスマニアデビルですが、普段は可愛いという印象も与えてくれます。こちらの写真なんかは可愛いと感じますね!
タスマニアデビルの絶滅の危機を招いた伝染病とは?
タスマニアデビルは絶滅危惧種に認定されております。
レッドリストには、【絶滅危惧IB類(EN)※ IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの】に登録されています。
タスマニアデビルの個体数減少の最大の原因の一つと言われているのが、デビル顔面腫瘍性疾患です。
これは、名前の通り顔面が腫れ上がり腫瘍が出来てしまう疾患です。この疾患の影響で食べ物が食べれなくなる。
こちらの画像はイメージですが、このように顔に赤い腫瘍が出来てしまうのです。
その為、この疾患の致死率はほぼ100%と言われています。
この疾患の恐ろしいところは、噛むことで伝染します。
この特徴がとても厄介なのです。なぜなら、タスマニアデビルは食べ物を食べる際に、仲間で奪い合いをする動物です。その為、奪い合いの際にお互いを噛んで攻撃します。
つまり、簡単にこの疾患が広まってしまうのです。
この疾患の影響で、タスマニアデビルの個体数は激減しました。
しかし、近年わかったことでは、この疾患とタスマニアデビルが共存できるようになってきた傾向もあるそうです。さらに、デビル顔面腫瘍性疾患のワクチン研究なども進んでいるようです。
まだまだ油断はならないですが、タスマニアデビルの保護活動も現地では進んでいます。
参考:Save the Tasmanian Devil Appeal
まとめ
今回はタスマニアデビルについてご紹介しました。
タスマニア島の生態系ではほぼ頂点に位置する動物。しかし、疾患の影響などで絶滅危惧にもなっている。
生態系の頂点の動物が絶滅することは、生態系のバランスが崩れることにも繋がります。
その為、今後もタスマニアデビルに対する保護活動と研究の状況を見ていきたいと思います。
ちなみに日本の動物園でタスマニアデビルに会うには、2024年3月時点では多摩動物公園で出会えます。
タスマニア州政府は2003年に「セイブ・ザ・タスマニアデビル・プログラム」を立ち上げ、飼育下繁殖や発症地域以外への個体導入など、保全活動に取り組んでいます。この一環として2013年、海外の動物園がタスマニアデビルの飼育を通じた教育普及活動をおこなうプログラムが始まりました。
多摩動物公園はこのプログラムへの参加が認められ、2016年からタスマニアデビルを飼育してきました。展示をとおしてタスマニアデビルの現状を伝えてきましたが、2023年10月から展示が一時途絶えていました。今回、新たなアンバサダーとして、2頭のタスマニアデビルが来園します。
文章引用:https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=28424