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ハナアブ

ハナアブはかわいい?絶滅危惧種でもあるハナアブの特徴をご紹介。

2025.6.6

目次

「なんだこの虫…ハチ?ハエ?」――そんな風に思ったことはありませんか?
顔のまわりを飛び回って少し厄介に感じるハナアブ。実はその正体、私たちの生活や食卓に深く関わる超重要な存在なんです。

「意外とかわいい!」と注目される一方で、絶滅の危機に瀕していることも判明。
この記事では、見た目も生態もミステリアスなハナアブの魅力について、わかりやすくご紹介します。

ここを読めばこの記事の概略がサクッと分かります!
ハナアブってどんな生き物?ミツバチの仲間なの?
実は違います。(英名:hoverfly)は「ハエ」の仲間なんです。
見た目がハチだから刺されそうで怖いんですけど…?
安心してください。ハナアブは毒針を持たず、刺すことも噛むこともありません。
見た目がハチだから刺されそうで怖いんですけど…?
安心してください。ハナアブは毒針を持たず、刺すことも噛むこともありません。
見た目がハチだから刺されそうで怖いんですけど…?
安心してください。ハナアブは毒針を持たず、刺すことも噛むこともありません。

他にも
「ハナアブは人間にとって頼もしい存在!」
「ハナアブのスゴ技!」
「ハナアブは絶滅の危機にあります」

などなど、ハナアブの知られざる魅力や驚きの事実をたっぷりご紹介しています。ぜひ最後までお楽しみください!

ハナアブの特徴

ハナアブ
画像引用元:pixabay
ハナアブってどんな生き物?ミツバチの仲間なの?
実は違います。(英名:hoverfly)は「ハエ」の仲間なんです。

ミツバチそっくりな見た目をしていますが、ハナアブはハエ目ハナアブ科に属するハエの仲間の昆虫です。

ハナアブは、小さくて黒い虫で、蜂に似た姿をしています。そのため、花に集まる昆虫仲間のミツバチと良く間違われます。この姿は「ベイツ型擬態」といって、捕食者から身を守るために毒のあるミツバチに似せているのです。

頭部と体は長くて細い形をしており、短い羽根を持っています。

主に花粉を食べ、花の周りを飛び回る様子は美しいものです。

ミツバチやアリと同様に、社会性昆虫であり、複数匹で行動することが多いです。

特徴

・体長は平均1cm前後
・日本全国で見られる
・活動時期は4 ~ 12月頃。基本的には暖かい時期に観られる。

ミツバチ・ハナアブ・ハエの違いがひと目で分かる比較画像をご用意しました。ぜひ見比べてみてくださいね!

ミツバチ

ミツバチ
画像引用元:pixabay

ハナアブ

ハナアブ
画像引用元:pixabay

ハエ

ハエ
画像引用元:pixabay

人にも安全!

見た目がハチだから刺されそうで怖いんですけど…?
安心してください。ハナアブは毒針を持たず、刺すことも噛むこともありません。

見た目がハチに似ているのは擬態のためで、実際はとてもおとなしい虫なのです。

ハナアブの食べ物!

ハナアブ何を食べますか?
ハナアブの成虫は花の蜜を吸いますが、幼虫はアブラムシやカイガラムシ類を食べることもある。

幼虫は「肉食性」です。アブラムシに忍び寄って、体液を吸って食べてしまいます。1日に50〜100匹ものアブラムシを捕食することもあります。

そのため、無農薬の家庭菜園や有機農業では非常に心強い味方なんです。

ハナアブは人間にとって頼もしい存在!

ハナアブ
画像引用元:pixabay
ハエの仲間なのに、なぜ「益虫」って言われるの?
ハナアブは大人になると花粉を運ぶポリネーター(花粉媒介者)として大活躍します。また、前途した通り、幼虫はアブラムシを食べてくれます。

ハナアブは農作物の受粉を助ける存在として、ミツバチに次いで重要だと評価されています。さらに、幼虫はアブラムシを食べるため、自然の害虫駆除役としても非常に役立つのです。

ハナアブのスゴ技!

ハナアブはどんなスゴ技があるのですか?
空中でピタッと静止するスゴ技を持っています。

ハナアブの英称はホバーフライ。そしての名前の由来は「hover(ホバリング=空中静止)」です。

前翅を高速で羽ばたかせ、後翅が退化してできた平衡器(バランサー)を使うことで、安定した飛行が可能なのです。まるでドローンのようにホバリングする姿は驚きですよね!

ハナアブ
画像引用元:pixabay

ハナアブは絶滅の危機にあります

そんなすごいハナアブですが、絶滅しそうって本当ですか?
はい。 ヨーロッパのハナアブの約3分の1が絶滅の危機に瀕しているという報告があります。これはIUCN(国際自然保護連合)のが2024年に発表した公式プレスリリースによるものです。
原因は!

生息地の破壊や農薬、気候変動などが主な原因と言われています。

ヨーロッパのハナアブの890種のうち314種が絶滅危惧種だそうです。

ハナアブはミツバチに次いで世界で2番目に花粉媒介者グループであり、多くの場合、ミツバチよりも花を訪れる率が高い。このことから、ハナアブ は地球の食糧安全保障にとって重要と考えられています。

つまり、ハナアブの絶滅は人間の食生活の安全にも影響が出る可能性があるとのこと。

詳しくはこちらのIUCNのプレスリリース記事をご参照くださいませ。

Over one third of hoverflies threatened with extinction in Europe – IUCN Red List

ハナアブはよく見るとかわいい虫です

アブは公園や道を歩いていると、顔の周りを飛ぶこともあり、鬱陶しい!と思われがち。

見た目も気持ち悪いと感じ方も多い。

しかし!よくよく見てみると、身体の比率に合わない大きな目。

小さい身体でせっせと花の蜜を吸う姿。

その姿がかわいい!と思う方も増加中。

ハナアブはかわいいと思うのは人それぞれではありますが、一定数の方はハナアブをかわいいと思っているようです。

こちらは、キゴシハナアブの花粉や蜜を食べたり集めたりしているところです。

撮影者:KATSU

引用元:AUSTRALIAN MUSEUM
引用元:ask if as

まとめ

ハナアブはこのように花粉媒介者であり重要な役割を果たしてくれているのに、衛生面などを懸念して食品を扱う場所で発生した場合、駆除の対象にもなっています。

ハナアブは毒針を持っていませんので、人を刺すことはもちろんありません。

その為、腐敗した生ゴミを溜めないなど、衛生面には気を付け食品を扱う場所に、ハナアブが寄ってこない環境作り。理由も無く嫌わない。駆除しない。こういった意識作りが必要なのかもしれません。

昆虫にはあまり興味を持たれていない方も多いかと思いますが、実は生態系や人間の生活において、とても重要な役割を果たしてくれている場合も多いです。

もし、道端を歩いている時にハナアブを見かけたら、そっと様子を見てみてください。

もしかしたら、ハナアブのかわいさに気付くかもしれません。

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