ハナアブとは?ハチに似たハエの仲間の特徴と、ヨーロッパで絶滅が心配される理由
2025.6.6
目次
2026年10月24日更新:IUCN・フロリダ大学・オーストラリア博物館の資料と照らし合わせ、事実の誤り(社会性昆虫ではない、幼虫の食べ物は種類によって違う)を直しました。出典:IUCN(2022年10月11日)/フロリダ大学 IFAS/オーストラリア博物館
「なんだこの虫…ハチ?ハエ?」――そんな風に思ったことはありませんか?
顔のまわりを飛び回って少し厄介に感じるハナアブ。実はその正体、私たちの生活や食卓に深く関わる超重要な存在なんです。
「意外とかわいい!」と注目される一方で、ヨーロッパでは3分の1以上の種類が絶滅のおそれがあると評価されました(2022年・IUCN)。
この記事では、見た目も生態もミステリアスなハナアブの魅力について、わかりやすくご紹介します。
他にも
「ハナアブは人間にとって頼もしい存在!」
「ハナアブのスゴ技!」
「ハナアブは絶滅の危機にあります」
などなど、ハナアブの知られざる魅力や驚きの事実をたっぷりご紹介しています。ぜひ最後までお楽しみください!
ハナアブの特徴

ミツバチそっくりな見た目をしていますが、ハナアブはハエ目ハナアブ科に属するハエの仲間の昆虫です。
ハナアブには、黄色と黒のしま模様など、ハチに似た姿の種類が多くいます。そのため、花に集まる昆虫仲間のミツバチと良く間違われます。この姿は「ベイツ型擬態」といって、捕食者から身を守るために毒のあるミツバチに似せているのです。
ハエの仲間なので、はねは前の2枚だけです。後ろのはねは小さな「平均棍(へいきんこん)」に変わっていて、飛ぶときのバランスをとっています。
成虫は花の蜜などを求めて花を訪れ、その場に止まるようにホバリングしては、すっと横や前へ移動します。
ミツバチやアリのように巣を作って集団で暮らす「社会性昆虫」ではありません。暑い時期には、一度にたくさん見られることがあります。
・ハエ目ハナアブ科の昆虫
・大きさは種類によってさまざま(オーストラリア博物館の解説では8〜20mm)
・ハチに似ているが、人を刺さない
ミツバチ・ハナアブ・ハエの違いがひと目で分かる比較画像をご用意しました。ぜひ見比べてみてくださいね!
ミツバチ

ハナアブ

ハエ

ハナアブは刺す? 人を刺さない、おとなしい虫です
見た目がハチに似ているのは擬態のためで、実際はとてもおとなしい虫なのです。
オーストラリア博物館の解説でも、ハナアブは「刺さず、まったく無害(they do not sting and are quite harmless)」と書かれています。出典:オーストラリア博物館「Hover flies」(2026年11月4日に確認)
ハナアブの食べ物!
幼虫の食べ物は種類によって違います。アブラムシを食べる種類が多く知られていますが、アリの巣の中で暮らす種類などもいます。アブラムシを食べる種類では、1匹の幼虫が1日に平均34匹のアブラムシを食べたという研究が紹介されています(フロリダ大学の資料)。
そのため、無農薬の家庭菜園や有機農業では非常に心強い味方なんです。
ハナアブは人間にとって頼もしい存在!

ハナアブは農作物の受粉を助ける存在として、ミツバチに次いで重要だと評価されています。さらに、幼虫はアブラムシを食べるため、自然の害虫駆除役としても非常に役立つのです。
ハナアブのスゴ技!
ハナアブの英称はホバーフライ。そしての名前の由来は「hover(ホバリング=空中静止)」です。
前翅を高速で羽ばたかせ、後翅が退化してできた平衡器(バランサー)を使うことで、安定した飛行が可能なのです。まるでドローンのようにホバリングする姿は驚きですよね!

ハナアブは絶滅の危機にあります
生息地の破壊や農薬、気候変動などが主な原因と言われています。
2022年10月にIUCN(国際自然保護連合)が公表した評価では、ヨーロッパのハナアブ890種のうち314種が、絶滅のおそれのある種類(危急種・絶滅危惧種・深刻な危機)とされました。主な原因は、集約的な農業と有害な農薬、持続的でない林業、都市の開発、気候変動です。日本のハナアブについての評価ではありません。
ハナアブはミツバチに次いで世界で2番目に花粉媒介者グループであり、多くの場合、ミツバチよりも花を訪れる率が高い。このことから、ハナアブ は地球の食糧安全保障にとって重要と考えられています。
つまり、ハナアブの絶滅は人間の食生活の安全にも影響が出る可能性があるとのこと。
詳しくはこちらのIUCNのプレスリリース記事をご参照くださいませ。
Over one third of hoverflies threatened with extinction in Europe – IUCN Red List
ハナアブはよく見るとかわいい虫です
アブは公園や道を歩いていると、顔の周りを飛ぶこともあり、鬱陶しい!と思われがち。
見た目も気持ち悪いと感じ方も多い。
しかし!よくよく見てみると、身体の比率に合わない大きな目。
小さい身体でせっせと花の蜜を吸う姿。
その姿がかわいい!と思う方も増加中。
ハナアブはかわいいと思うのは人それぞれではありますが、一定数の方はハナアブをかわいいと思っているようです。
こちらは、キゴシハナアブの花粉や蜜を食べたり集めたりしているところです。
引用元:AUSTRALIAN MUSEUM
引用元:ask if as
まとめ
ハナアブはこのように花粉媒介者であり重要な役割を果たしてくれているのに、衛生面などを懸念して食品を扱う場所で発生した場合、駆除の対象にもなっています。
ハナアブは毒針を持っていませんので、人を刺すことはもちろんありません。
その為、腐敗した生ゴミを溜めないなど、衛生面には気を付け食品を扱う場所に、ハナアブが寄ってこない環境作り。理由も無く嫌わない。駆除しない。こういった意識作りが必要なのかもしれません。
昆虫にはあまり興味を持たれていない方も多いかと思いますが、実は生態系や人間の生活において、とても重要な役割を果たしてくれている場合も多いです。
もし、道端を歩いている時にハナアブを見かけたら、そっと様子を見てみてください。
もしかしたら、ハナアブのかわいさに気付くかもしれません。
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