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オーストラリアクロトキ

くちばしが長い鳥、オーストラリアクロトキの特徴

2024.1.30

目次

英語名はAustralian White Ibis と呼ばれるオーストラリアのトキ(アイビス)です。トキと聞くと日本では以前環境省レッドリストで、野生絶滅の状態にあるくらい希少な鳥と思われますが、このオーストラリアクロトキは違うのです。

都会に住むオーストラリアクロトキ

街にいるトキ
画像引用元:Pixabay

トキのイメージは山の中に住んでいる、自然の中に生息している等のイメージがあると思いますが、このオーストトラリアクロトキは違います。シドニー市内の駅の近くなど、都会の中に住んでいる鳥なのです。私が初めてこの鳥に出会ったのも、駅近くの公園でランチを食べていた時でした。

人を攻撃する訳でもなく大きめの鳥が歩いてきたので観察してみると、オーストラリアクロトキの特徴でもある、長いくちばしを使って、ゴミを漁っている様子がみられました。
日本では、カラスがゴミを漁るイメージがありますが、シドニーではこの、オーストラリアクロトキがゴミを漁っているイメージが強いです。それも、ハトやカモメと一緒になってゴミ漁りに勤しんでいます。

その為ゴミの匂いが強く、匂いで側にオーストラリアクロトキがいる、とわかるほどです。

またこの鳥は飛べない鳥ではなく、飛べるので、街中をハトやカモメ同様飛んでいる姿は大きい鳥が飛んでいるという違和感も強くありました。

オーストラリアクロトキの生態

もともとは都会での生息は稀な鳥でした。

本来、水場(淡水・海水)のある湿地などに棲んでいたオーストラリアクロトキ。もちろん、ゴミなど食べず、甲殻類や昆虫、カエル、魚、カタツムリなどを食べて生息しておりました。何千年もの間、オーストラリアクロトキは先住民であるアボリジニの方々にとって、湿地の健康状態を示す神聖な種類の鳥類として存在していたそうです。元々、都市部では滅多に見られない鳥でしたが、近年、都会での暮らしに適応してしまったが為に、特に約50年くらい前から、シドニーの南にある地域、ウーロンゴンをはじめ、シドニー、メルボルン、ダーウィンなど、東海岸地域での生息が増え、最近では西海岸地域のパースなどでも生息するようになりました。

湿地帯
画像引用元:Pixabay
オーストラリアクロトキは別名
  • Tip(汚い)Chicken(鳥)
  • Bin(ゴミ箱)Chicken(鳥)

など、ゴミ漁りのイメージが強いニックネームがついています。

シドニーではこの鳥たちの数をコントロールする対策が始まっています。 オーストラリアクロトキがなぜこうなったのかを伝えたり、新聞記事ではオーストラリアクロトキが悪者にならないような書かれ方になっていたりしています。また、ゴミの管理の徹底や、ゴミを減らす活動野生動物の生息地を修復する取り組みへの支援なども行われるようになってきています。

カラダは65〜75センチくらいととても大きく、特徴である長いくちばしはオスで16.7センチはあり、メスはこれ以下のサイズです。 体重は意外と軽く、オスで2.5キロほど、メスは2キロに満たない大きさです。
他の種類のトキと比べると大きめのサイズのようです。寿命は28歳くらいまで生きる長生きの鳥です。  

毎朝パトロールしているオーストラリアクロトキ

オーストラリアのトキ
画像引用元:Pixabay

このオーストラリアクロトキは都市部に生息している為、必ずと言っていいほど出会います。見ない日がない、というくらいシドニー市内に住んでいればみることができます。日本でいうカラスくらいの頻度で珍しくない鳥です。
このオーストラリアクロトキは人がいても車がいても、全く動じないのです。あまりに堂々と車道を歩いていて、それを見た人が「あの鳥、余裕で歩いてる」といって笑ってしまうくらいです。車通りの激しい通りでも車がスピードダウンして鳥が動くのを待つくらい堂々としています。 
自然に優しい国、オーストラリアですが、このような大きな鳥が、街中でゴミ漁りをハトたちと共にしているのを見るのは不思議な感じがしてしまうのです。

湿地帯という住処を失った鳥、オーストラリアクロトキ

もともとは湿地帯に住んでいた鳥が、居場所がなくなってしまっていることも事実である為、出来るだけオーストラリアクロトキがもともといた生息地で生活できるよう支援されていくことも大切ですね。

まとめ

今回はオーストラリアの都市部で身近な鳥、オーストラリアクロトキを紹介しました。オーストラリア旅行の際、都市部での観光の時に見かける機会が多いかと思います。人を襲ったりはしないのですが、大きい鳥なので初めは見慣れないかもしれませんね。

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