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犬の部屋作りのポイント

犬の部屋作りのポイントとは!?犬の喜ぶ部屋作りを専門家目線でご紹介

2024.1.11

目次

今回は動物飼養管理士の目線で、犬が喜ぶ部屋作りのポイントをご紹介します。

まず大前提として、犬にとって危険なものを部屋中から片付けましょう。

その後に犬の習性や性格を理解したり、しつけによって環境改善を行っていくといいでしょう。

部屋の床対策について

マルチーズ
画像引用元:Canva

犬が過ごす部屋の床がフローリングやタイルなどの滑りやすい素材だと、犬が走ったりジャンプしたりする際に足腰を痛めてしまいます。

フローリングに滑り止め加工を施すことも可能ですが、そのうち徐々にコーティングが剥がれしまいます。

クッションフロアの床や畳も犬が爪を立てたり走ったりすると表面がボロボロと剥がれてきます。

犬にとって一番最適なのは、洗えるタイプの毛足の短いカーペットやクッション性の高い低反発カーペットを敷くのがお勧めです。

しかし、毛足の長いタイプやループ対応のカーペットは犬の爪が引っかかったり、カーペットの隙間にホコリやゴミが不衛生になるのでお勧め致しません。

リビングを人間と犬で共用されるのであれば、犬が自由に動き回れる範囲だけでも良いので、毛足の短いカーペットを敷いてあげることが安心安全で犬も人も快適に過ごすことができます。
(犬専用のお部屋を設けるパターンでは床一面がカーペットでもOKです。)

冷暖房の設置について

扇風機と犬
画像引用元:Canva

近年、光熱費が高騰する中、電気代を節約する為に扇風機や電気ストーブ、石油ファンヒーター、こたつなどを使用される方がおられますが、犬が過ごす場所では基本的にエアコンで室内の温度調整を行ってください。

犬には汗腺がありません。その為、汗が蒸発した際に気化熱を扇風機やうちわで冷やすことができず、被毛の中の空気が入れ替わり何となく気持ちがいい程度で、温度調整には使えません。

人間と犬とでは基礎体温も体温調整方法も違うので、最悪のケースでは熱中症で死に至るケースがあります。

夏場は家族が留守でも必ずエアコンはつけたままの状態で、温度は26℃〜28℃、湿度は50%を目安に調整してあげる必要があります。

冬場はこたつや電気カーペット、床暖房などを使うことがありますが、たとえ低温でも長時間同じ場所を温め続けると低温やけどの恐れがあります。

犬は被毛に覆われており、皮膚の様子を確認することが困難なため、犬が気持ち良さそうに寝ていても長時間コタツの中に放置していたり、近距離で電気ストーブに当たらせておくのはとても危険です。
冬場でもエアコンの使用をおすすめ致します。

間仕切り対策について

犬の部屋
画像引用元:Canva

犬の安全を守る為にもキッチン、浴室、ベランダ、玄関など入ってほしくない場所がいくつかあります。

キッチンには包丁やナイフ、ハサミなどの刃物はもちろん、犬が食べると危険な食材もたくさんあり、また、ガスコンロのスイッチを押してしまったりと特に危険がたくさんある場所です。

それ以外にも水を張った浴室で溺れたり、洗濯機のドラムに入ってドアが閉まってしまい閉じ込められたり、水回りの場所には有毒な洗剤類も多くあります。

玄関やベランダも犬が脱走したり転落事故の危険があります。

犬に入られたくない場所には必ず間仕切り柵などを設け、犬が自由に動ける範囲を限定しておくことが犬の安全対策になります。

窓対策について

外の騒音がうるさい場所や犬の吠える声が気になる場合は、場所を変えるかもしくは防音性の高い二重サッシに替えるなどの工夫もしましょう。

① 外の景色もストレスになることも・・・性格によっては自分のスペース内に見知らぬ人や動物が入って来ることを嫌がる犬もいます。郵便配達員や宅配業者、敷地内を歩いている野良猫、バルコニーに止まった鳥など犬によってはそれら全てがストレスになり、警戒吠えをすることもあります。その場合は日光を遮らない程度に目隠しフェンスの設置や窓にすりガラス風のフィルムを貼って対策をしましょう。

② 網戸の危険性・・・窓を開けていても網戸があれば大丈夫だと思いがちですが、犬が爪を立ててガリガリして破れたり、走り回って網戸にぶつかったり、体重をかけて外れたりすることがあります。空気の入れ替えで網戸にする際は必ず飼い主がそばにいるようにしましょう。

③ 犬をベランダに出さない・・・犬の脱走や転落事故の原因になりますので窓の種類にかかわらず、外の空気を吸わせてあげたい時は、脱走対策をした上で一緒にお庭にでたり、お散歩に出かけるなど必ず飼い主がそばに付き添いましょう。

太陽光には紫外線による被毛の殺菌効果が期待できる為、犬にとって日光浴はとても大切です。
窓の近くにお気に入りのベッドを置いて、犬がいつでも好きな時に日向ぼっこができるようにリラックスできる場所を作ってあげましょう。

犬の隠れ家(ハウス)とトイレの場所について

犬の部屋
撮影者:高橋 陽子

犬がストレスを感じた時、人や他の動物から身を隠したり姿を現すことができるようにお部屋の中に専用の隠れ家を設置してあげましょう。

廊下や玄関ではなく、部屋の隅で人の通行が少なく、直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所に犬の隠れ家(ケージ・クレート・サークル)を作り、中に柔らかい毛布やクッション、犬用のベッドなどを置いて、周囲を布かケージカバーなどで覆ってあげましょう。

また、ペットショップのようにサークルの中にトイレを一緒に設置すると、リビングなど自由に動き回れる場所でフリーにしている際にトイレの認識ができず失敗が多くなります。

トイレの設置は、ご飯を与える場所や睡眠場所とはなるべく遠い場所に置きましょう。

愛犬のトイレのタイミング(起床時、朝食前後、お昼寝後、夕食前後、就寝前など)を把握しておき、タイミングに合わせておやつなどでトイレに誘導してあげてください。

トイレトレーニング中の子は、サークルにトーレシートまたはトイレトレーのみを入れたサークルに誘導し、排出するまでサークルから出さずに、ワンツー、ワンツーなどトイレの掛け声をして覚えさせると良いでしょう。無事に排出出来たらトイレサークルから出して、おやつなどでたくさん褒めてあげてくださいね。

長時間のお留守番時には、大きな柵で囲んだ中に隠れ家(ハウス)とトイレを設置して犬が自由に排泄できるようにしてあげるといいでしょう。

犬の隠れ家(ハウス)は『自分の身は隠れているけど、飼い主さんの姿が見える場所』がベストです。
またお皿の水がなくなっていることに飼い主が気づかなくても大丈夫なように、予備としてもう1つ、いつでもお水が飲めるように隠れ家(ハウス)の中にも給水器を設置しておきましょう。

まとめ

今回は動物飼養管理士の専門家の目線から、犬の部屋作りにおいて各所のポイントをご紹介いたしました。

部屋の広さや間取りにもよるとは思いますが、ご紹介したポイントを参考にして、犬の喜ぶ部屋作りを目指してくださいね!

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