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ザトウクジラにフジツボはなぜついてる? 体重や食べ物や鳴き声など!生態や特徴を知ろう!

2024.2.8

目次

地球最大規模!ザトウクジラの紹介

現代の地球に生息する動物で最大の大きさを持つクジラたち。今回は知名度も高いザトウクジラ【大きさ、生息地、食べ物、鳴き声、フジツボ、知能、寿命、生殖行動 】などについて紹介していきます。

ザトウクジラとは?

哺乳綱偶蹄目ナガスクジラ科ザトウクジラ属に分類されるクジラです。体長は13 ~ 16mくらいで、もちろん海に生息しています。具体的には、北アメリカや南アメリカの沿岸やハワイ諸島など、太平洋に生息しています。日本近海(小笠原諸島など)でも時期によっては、多くのザトウクジラが回遊していて特に小笠原諸島では、冬の時期はホエールウォッチングのシーズンです。例年12月頃から春の5月ころまでがシーズンで、2月から4月がザトウクジラを見れる確率が高まります。

ザトウクジラは、なぜブリーチングをする?

ブリーチングとは

ザトウクジラが水面から飛び出る行為で全身を見せるような大胆な動き【ブリーチング】

明確な理由は判明しておりませんが、以下の3つの説があります。1つ目はコミュニケーション、求愛行動、威嚇行動です。群れのメンバー同士の位置関係を調整したり、興奮や喜びを表現する手段という説があります。2つ目は、身体に付着した寄生虫を落とすためです。水から飛び出すことで身体の表面に付いた寄生生物を除去しようとするという説があります。3つ目はエネルギーの解放です。水面から飛び出すことで身体に加わる抵抗が減り、エネルギーの放出が可能となる説があります。

ザトウクジラの模様なんで違うの?外見の違いは?

外見の違い!みんな違ってみんないい!

全身が黒の個体もいれば腹部分が白い個体など個体によって違うのも特徴です。

明確な理由は判明しておりませんが、以下の3つの説を紹介します。1つ目は遺伝です。親から子への遺伝や、特定の遺伝的特徴が模様に影響を与える可能性があります。2つ目が、傷や傷跡です。ザトウクジラは長い寿命をであり、生きている過程で体には傷や傷跡が残ることがあります。3つ目は生息環境の違いです。生息する海域や環境は異なるため、海洋中の様々な要因(水温、栄養状態、生息地の地形など)が模様の形成に影響を与える可能性があります。

ザトウクジラの寿命は?長生きするの?

おおよそ60〜70年生きることができます。
環境要因や個体の健康状態によって寿命は異なる場合があります。幼体や若いザトウクジラは死亡率が高く、成熟に時間がかかります。繁殖期間も長いため、個体の寿命が長いことは種の存続にとって重要な要素です。

クジラ
画像引用元:Adobe Stock

ザトウクジラの生息地はどこ?

ザトウクジラは世界中のさまざまな海域に生息しています。日本近海(小笠原諸島など)でも時期によっては、多くのザトウクジラが回遊しています。生息地の特徴は温暖な海域です。太平洋や大西洋の熱帯や亜熱帯域、地中海、インド洋などです。また、沿岸部によく現れます。繁殖や餌を求めて沿岸部を移動することがあります。さらに、深海にも一部のザトウクジラは深海に生息し水深数百メートルまで潜ることがあります。深海には餌が豊富にあり彼らはそこで餌を探して行動します。

季節によっても異なる生息地

ザトウクジラの一部の集団は特定の海域やルートを定期的に移動します。
南極や北極の海域を移動することもあります。

ザトウクジラって大きい!!

地球上で最も大きい動物であり、成体のザトウクジラの体長は一般的に12m~14mほどです。体重は成体のザトウクジラで、一般的的に25トン~30トンほどです。しかし、一部はもっと大きくなることもあります。

ザトウクジラはどんな食べ物を食べているの?

1日の食事量は一般的にの3%~5%で、約1トン~1.5トン摂取すると言われています。中には5トン食べるクジラもいます

どんな食べ物を1トンも食べているの?

主な食べ物は、魚やオキアミなどの魚類などです。
非常に食事量が多く大量のプランクトンが集まる海域を移動します。

ザトウクジラは体格を維持するために毎日がサバイバルですね!

500km先まで鳴き声が届くって本当?

クジラの歌とも言われる、クジラの鳴き声。実は500km先まで届くきます。ダイビングで潜っていると、遠くの方にいるクジラの鳴き声でも聞こえることがあります。どんな鳴き声なんでしょうか。こちらをご覧ください。

動画引用元:BBC Earth

動画は、【BBC Earth】 のYoutubeを掲載させていただきます。
重低音と高音の両方の鳴き声が聞こえますね。クジラ同士で会話をしているのでしょうか。コミュニケーションをとっているのだとは思いますが、これがほとんど無音の世界の海の中で響いていると、歌声に聞こえるのも頷けます。このクジラの鳴き声は、実は鼻の穴から出しているそう。

実際に鳴き声を聞いた時!!

私は沖縄でダイビングをした時にクジラの鳴き声を聞いたことがあります。周りを見渡しても姿形は全く見えず、海上で待機していた船長さんもクジラの姿は確認出来なかったと言っていましたが、海底にいた私やインストラクターの耳には確かにクジラの鳴き声が聞こえていたのを覚えています。ダイビングをしている時は、呼吸音や空気が出る泡の音などは聞こえていますが、それ以外はほとんど何も聞こえてこない世界です。その世界で聞こえるクジラの鳴き声、いやクジラの歌は、一気に世界観を変えてくれます。

なんでフジツボがついてるの?

ザトウクジラに限らずですが、よくクジラにはフジツボが付いています。
何故付いているのでしょうか。

フジツボとは

貝のようですが実は甲殻類に分類されます。エビやカニの仲間です。

クジラ
画像引用元:Adobe Stock

固着動物で、海岸の岩場などに付着しているフジツボがクジラに付着する理由としては、クジラの回遊スピードが遅い為と言われています。ザトウクジラの泳ぐスピードは人間の歩くスピードと同じくらいです。なので、フジツボが付着しやすいのです。クジラのブリーチングには、このフジツボを身体から落とす為という説もございます。落としたいと思うくらい、クジラにとっては気が散る存在なのかもしれません。

ザトウクジラは集団行動なの?

集団行動をする理由は、生態学的な要因によるものです。1つ目は繁殖行動のためです。特定の季節や地域にザトウクジラは繁殖のために集まり、交配や出産を行います。集団の中で相手を見つけ、繁殖行動を行うことで、繁殖の成功率が高まると考えられます。2つ目は餌の捕食です。主にプランクトンや小魚を餌としていますが、集団で群れを作ることで、餌を見つけやすくなり効率的に捕食することができます。また、餌を集めるための戦術や戦略を共有することができます。3つ目は群れの防御です。ザトウクジラは捕食者から身を守るために、集団行動を取ることがあります。大きな群れを作ることで協力して攻撃や防御を行っています。4つ目は、社会的な繋がりです。集団行動を通じてコミュニケーションを取ることで社会的な繋がりを強化します。

ザトウクジラは、とっても頭がいい

学習能力
学習能力が高く、新しい状況や環境に適応する能力を持っています。
記憶力
優れた記憶力を持っています。彼らは長期間にわたって経験を覚え、同じ状況に再び遭遇した際に活用することができます。また、親から子への伝統的な行動パターンも伝えられることがあります。
問題解決能力
複雑な状況や障害を克服する能力を持っています。狩りの際に魚を驚かせるためにバブルネットを作るなど、創造的な解決策を見出すことがあります。

ザトウクジラは本当に頭がいいですね!!

バブルネットとは

水中で協力して泡を作り出す捕食技法です。泡の中に餌(主にプランクトンや小魚)を閉じ込め、水面から飛び出し口を開けて餌を一気に捕食します。
泡の中に閉じ込められるなんて、恐ろしいですね!

画像引用元:Adobe Stock

ザトウクジラクジラの繁殖行動

ザトウクジラの交配は冬から春にかけて行われます。暖かい水域に集まり繁殖が盛んに行われます。メスは、数頭のオスと交配することがあります。妊娠期間は約12か月でエサをしっかり食べて体力をつけるため餌を求めて移動することがあります。新生児は、成長のために母親の乳を摂取し体力をつけます。その後、母親は子供を守る役割を果たします。成長するにつれて、母親から離れて独立していきます。

まとめ

今回はザトウクジラのご紹介をしました。日本近海では小笠原諸島や沖縄などの海では、野生のザトウクジラに出来えることも多いです。私は一度も野生のクジラを見たことが無いので、いつか見てみたいです。

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