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シロナガスクジラ

地球最大の動物。シロナガスクジラ最大体重特徴は?

2024.3.5

目次

シロナガスクジラ
画像作成者:Ren
今回の記事は

現代に生きる動物の中で最も大きい動物、シロナガスクジラについてご紹介します。今生きている動物の種類の中では最大の大きさを誇ります。その大きさの所以は。特徴や生態、寿命と共にご紹介します。

シロナガスクジラの特徴や生態

哺乳綱偶蹄目ナガスクジラ科に属します。海洋動物の中でも、陸上動物を合わせても、現代の地球上に存在する(発見されている)動物で最も大きい身体を持っています。その体長は、30m近くになる個体もいるほど。25mプールを想像するとわかりやすいですね!あのプールよりも、長いというわけなので、実際に目の前に表れたら恐怖!でしかありません。

どれくらいの体重なの?

成体の体重は平均で40トンから60トンになることがあります。
びっくりですね!!

シロナガスクジラ
画像引用元:Pixabay

主な生息地域は、世界の海です。例えば、北極圏周辺の海域に生息しています。これには北極海、ノルウェー、グリーンランド、カナダ、ロシアの海域が含まれます。全海域で見られることがありますが、日本近海ではあまり見られません。寒帯地域にいくことも多く、目撃例は北極圏や南極圏の方が多いイメージがあります。氷の縁辺域や氷の厚い中で生活します。これらの地域は彼らが捕食しやすい餌や安全な繁殖地だからです。彼らは季節によって移動を行い、夏には氷の縁辺域で、冬には氷の厚い中で生活します。

どうやって息してるの?

主に氷の覆われた海域で生息し、厚い氷の下に潜って餌を探します。氷の隙間から呼吸することができ、特殊な構造の鼻孔を持っています。

シロナガスクジラは単独行動?

群れいることもありますが、単体で行動していることも結構あります。動画や画像では、単体もしくは親子のシロナガスクジラが撮影されていることが多いことから、単体でいることの方が多いのではと私は思います。また、小さなグループで行動する傾向がありますが、時折、大規模な集団を形成することもあります。一般的には、個々のシロナガスクジラが自分の捕食領域を持ち、他の個体と距離を置くことがあります。しかし、重要な繁殖地や豊富な餌場では、多くのシロナガスクジラが集まることがあります。

シロナガスクジラ
画像作成者:Ren

シロナガスクジラは何を食べるの?

シロナガスクジラは、他のクジラと同じく、オキアミ、魚、エビ、カニ、小魚などを捕食します。氷の下で狩りを行います。あの巨体を保つためには、相当数の魚を補食するのだろうなと想像ができますね。

シロナガスクジラには歯があるの?

歯はなく、バレン (baleen) と呼ばれる、細長いフィルターのような構造を持っています。バレンはシロナガスクジラの口の上部に位置し、餌を濾過するために使用されます。プランクトンや小魚などの微小な生物を摂取するためにバレンを使用します。バレンは柔軟で細かい鯨骨質の板でできており、歯のように直接獲物を噛み砕くのではなく、水中の餌を選別するために使われます。シロナガスクジラのバレンは非常に効率的で、海中の豊富なプランクトンを捕食するのに適しています。

シロナガスクジラの寿命は?

シロナガスクジラの寿命は、80 ~ 90年くらいだと言われています。野生下ではということですが、そもそも飼育している場所はありません。シロナガスクジラに限らず、クジラの巨体を飼育できる水族館なんてのは無いですね。(クジラの仲間のゴンドウなどは水族館で見ることもできます。)シロナガスクジラの寿命80 ~ 90年というのは、人間と同じくらいという印象です。とても長生きの動物なのですね。

シロナガスクジラの天敵は?

シロナガスクジラは、天敵が少ないと言われていますが、いくつかの脅威には直面します。例えば、シャチは天敵の1つです。特に若いシロナガスクジラや病気や負傷した個体を狙います。シャチは高度な狩りの戦略を持ち、協力して獲物を捕らえることができます。また、人間による漁業活動は、大きな脅威です。かつては捕鯨が主な脅威でしたが、商業捕鯨の規制や禁止により、その影響は減少しています。しかし、違法な捕鯨や船舶との衝突、漁業活動による環境汚染などが影響を与えています。その他にも、 気候変動海洋汚染などの環境変化は、生息地や餌の供給に影響を与える可能性があります。海洋生態系の変化は、彼らの生存と繁殖に影響を及ぼす可能性があります。さらに、寄生虫や病気も天敵です。特にストレスや栄養不足が原因で免疫力が低下した個体は、感染症や寄生虫によって弱体化する可能性があります。

シロナガスクジラ
画像作成者:Ren

シロナガスクジラの生涯は?

生まれたばかりの頃は、約4〜5mの長さです。母親の母乳で成長し餌を捕食する能力を磨きます。性成熟までには7〜10年かかり、その後、成熟した雄はメスを求めて回遊し、繁殖行動を行います。交尾後、妊娠期間が妊娠期間は12〜16ヶ月です。そこから子育てをし次の妊娠まで約2 ~ 3年ほど。1回の妊娠で1頭の子供を出産するので、繫殖力は高くない動物です。あの巨体を維持するには、個体数が多くなるのは難しいでしょうね。成獣になるまでに10〜15年かかり、成熟したシロナガスクジラは通常20m以上に達します。彼らは海の広大な領域を移動し、さまざまな環境条件や人間の活動に晒されながら、生涯を過ごします。

なんで妊娠期間が長いの?

シロナガスクジラの妊娠期間は12〜16ヶ月です。出産は通常、温かい水域で行われます。シロナガスクジラの妊娠期間が長い理由の一つは、赤ちゃんが十分な大きさまで成長するために必要な時間があるからです。また、シロナガスクジラの母親は妊娠中に赤ちゃんを栄養豊富な母乳で養う必要があります。そのため長い妊娠期間が確保されています。

シロナガスクジラ
画像引用元:Adobe Stock

シロナガスクジラの心臓って大きいの?

シロナガスクジラの心臓は、その巨大な体に合わせて非常に大きく、驚異的な機能を持っています。平均で約180kgから最大で約450kgにも達することがあります。人間の体重より大きさです。また、シロナガスクジラの心臓は、通常は体の中央に位置しています。この巨大な心臓は、体全体に酸素と栄養素を供給するために必要な大量の血液をポンプする役割を果たします。海中で長距離を泳ぐシロナガスクジラは、その大きな心臓を利用して、体全体に十分な血液を循環させ、酸素を取り入れて排出することができます。

シロナガスくじらの体の特徴は?

シロナガスクジラの体は流線型であり、水中での抵抗を減らし効率的な泳ぎを可能にします。彼らの体は前方に向かってやや細くなり、頭部は大きく、特徴的な口と複数の呼吸孔を持っています。また、フリッパーと呼ばれる前肢のような器官を持ち、これは水中での姿勢の安定や方向転換を助けます。さらに、最も印象的な特徴の一つは、大きく幅広い尾びれです。これは非常に強力であり、水中での推進力を提供します。尾びれの動きによって、彼らは迅速かつ効率的に進むことができます。体色は通常灰色から黒色で、背中が濃い色で腹部が明るい色をしています。この体色は海中での迷彩に役立ちます

シロナガスクジラよりも大きい動物はいるの?

シロナガスクジラが1番大きいです。シロナガスクジラよりも大きい動物としては、大型の恐竜や一部の巨大な海洋爬虫類(例えば、モササウルスなど)も挙げられますが、これらはすでに絶滅しています。

シロナガスクジラは絶滅危惧種?

シロナガスクジラは絶滅危惧種に認定されております。レッドリストには、【絶滅危惧IB類(EN)※ IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの】に登録されています。外洋で生活をしており発見も稀なので、野生の個体数の把握は難しく、今どれくらいの個体数が生きているのかは詳しくはわかっておりません。1800年代に、シロナガスクジラは多数狩猟されて個体数が減少していきました。しかし、現代では個体数減少には人間からの直接的な影響は少ないと考えられています。と言っても狩猟などの直接的な原因が無くなっただけで、地球温暖化や海の環境破壊、活動地域の拡大などの影響はまだまだあるのではと思います。

出典:レッドリスト シロナガスクジラ

まとめ

今回は、シロナガスクジラのご紹介をしました。ちなみにですが、恐竜映画にも出てくる有名な海洋肉食動物の「モササウルス」。そのモササウルスで12mほどの大きさと言われています。その為、シロナガスクジラは恐竜時代に生きていても、充分巨体な動物として存在できていたのでしょう。こちらはシロナガスクジラの特徴や生態についてご紹介されている動画です。ぜひ参考にしてくださいませ。

動画引用元:Nat Geo WILD

動画は、【Nat Geo WILD】 のYoutubeを掲載させていただきます。いつか、シロナガスクジラを直接見れる日が来ることを待ち望んでいます。ただ見るときは船の上からが良いですね。ダイビングで見るのは怖そう…

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