トムソンガゼルの生態を知ろう!何を食べる?なぜ群れになる?
2025.6.16
目次
今回はトムソンガゼルについてご紹介します。
サバンナに生息している草食動物では、シマウマやヌーに匹敵するくらい有名な動物だと私は思っています。
しかし、動物園ではあまり見られないこともあり、意外と知らない方も多いのでは?と思います。
この機会にトムソンガゼルについて知っていただければと思います。
トムソンガゼルの驚くべき跳躍能力や、群れの賢い協力や生態の工夫もいっぱいあります!
トムソンガゼルの特徴
・哺乳類ウシ目(偶蹄目)ウシ科ガゼル属
・体長約80〜90cm/体重約20〜30kg
・草食動物
・ケニア・タンザニアなど東アフリカのサバンナ地域に生息
トムソンガゼルはアフリカのサバンナに生息する小型のウシ科の動物で、見た目はシカに似ていますがウシの仲間です。名前は探検家ジョゼフ・トムソンに由来します。
体長約80〜90cm、体重20〜30kgで、オスがやや大きめ。茶褐色の背と白い腹部が特徴で、草原に自然に溶け込む保護色となっています。オスは角を持ち、縄張り争いなどに使います。

トムソンガゼルは世界最速級の草食動物
トムソンガゼルは、非常に俊敏で速く走ることができます。彼らは最高時速80km以上で走ることができると言われており、捕食者から逃れるためにこの能力を生かしています。
全力疾走に加えて、ジグザグ走行も得意!まるで「逃げのプロ」とも言える戦術を使います。
驚きのジャンプ能力
これは「プロンキング」という行動で、敵に「元気ですよ」とアピールして狙われにくくする防衛行動でもあるんだそうです。
こちらの動画に、ジャンプしている様子がありますのでぜひご覧ください。
トムソンガゼルが食べるもの
トムソンガゼルは草食動物であり、草や葉などの植物性の食物を食べています。
時には枝なども食べることがあり、トムソンガゼルは食べる植物から栄養や水分を補給しています。
もちろん、水たまりから直接水を飲むことも多いですが、乾季のタイミングなど水が少ない時は、こうして水分を得ているんです。

なぜトムソンガゼルは群れるのか
トムソンガゼルは、群れで生活をしていることがほとんどですが、なぜ群れるのでしょうか?
群れることで得られるメリット/デメリットを見てみましょう。
群れでいるメリット
捕食者から狙われにくくなる
⇒ 群れの中にいることで、1頭あたりのリスクが分散される。
捕食者の発見が早くなる
⇒ 複数の目と耳で周囲を警戒し、素早く危険を察知できる。
仲間との情報共有が可能
⇒ 単独では気付けない肉食動物や水場・餌場の存在を察知しやすい。
小型で狙われやすい弱点をカバーできる
⇒ チーターなどの天敵に対抗するために、集団での防衛が有効。
トムソンガゼルは、これらのメリットがあるから群れでいると考えられています。
群れでの行動はメリットだけでなくデメリットも存在します。
群れでいるデメリット
餌場・水場の奪い合いが起きやすい
⇒ 限られた資源を多くの個体で分け合う必要があり、競争が激しくなる。
病気や寄生虫が広がりやすい
⇒ 密集して生活することで、感染症の拡大リスクが高まる。
目立ちやすくなる
⇒ 群れの規模が大きくなるほど捕食者に見つかる可能性も上がる。
ただ、草食動物はサバンナで単体でいることが最も命の危険があると思うので、デメリットがあったとしても群れで行動することを選ぶのだと思います。

子どもの育て方
トムソンガゼルの母親は、出産後すぐに子どもを草むらの中に隠し、1日に数回だけ授乳のために訪れます。これは捕食者から赤ちゃんを守るための知恵です。そして、生後およそ1週間ほどで子どもは群れに合流するそうです。
驚くべきことに、生まれて間もない赤ちゃんガゼルはすぐに立ち上がり、ほんのわずかな時間で歩き始めます。
まとめ
今回はトムソンガゼルについてご紹介しました。
速いだけの動物ではない、賢く柔軟にサバンナを生き抜くトムソンガゼル。
日本の動物園でもトムソンガゼルを飼育しているところは無い(※当ブログを閲覧されたタイミングによっては飼育している施設もあるかもしれません)ので、なかなか生で会うことは難しい。
サバンナでは、結構な頻度で見ることができる動物なので、いつか生のトムソンガゼルに会いたいものです。