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ヌーの大群

2022.1.14

アフリカの野生動物を支えるヌーの大移動!距離、理由などご紹介!


目次

はじめに

こんにちは、狩生です!

今回は野生動物をテーマに書いていこうと思っています!その中でもアフリカをテーマに紹介していきます。

アフリカの野生動物と聞いたらみなさん何を思い浮かべますか?

やっぱり百獣の王、ライオンですか?
それともアフリカゾウとかですか?

私はヌーを思い浮かべます!

中でもヌーが何百万頭もの群れを作って大移動しながら川を渡っていく光景が印象的です。

アフリカの頂点にたつ動物といえばみなさんライオンを思い浮かべますとおもいますが、生態系の観点からすると実はヌーは生態系の頂点にいるんです!

ヌーといえば哺乳類の弱肉強食の輪の最下位に位置していることもあって、なんだか少しマヌケなイメージをお持ちかもしれませんが、実はヌーがアフリカの生態系バランスを保っているといっても過言ではないくらい、彼らはとっても重要な役割を果たしています。ヌーはアフリカの野生生物にとってかけがいのない存在なのです!

それは一体どういうことなのでしょうか...?

今回はそんなヌーの生態系を探っていきましょう!

ヌーとはどのような動物なのか?

ヌーはアンテロープの一種で哺乳網ウシ目ウシ科のヌー属に属する総称です。

体重は成獣で約200kgから250㎏。ウシとカモシカの特徴を合わせたような体型をしており、和名ではウシカモシカとも呼ばれているそうです。

主にアフリカ大陸の南部に生息するヌーですが、ヌー属としてはおオグロヌーとオジロヌーと2種類が知られており種類によって生息域も異なります。しかし、実はオジロヌーの野生種は1936年に絶滅しており、現在では保護区での飼育や再繁殖が試みられています。

ということで、今回はもう一方のオグロヌーについて紹介していきます!

※本文ではオグロヌーを総称してヌーに統一させていただきます。

陸上移動地球最大規模、ヌーの大移動

オグロヌーの生息地はケニア以南のアフリカ中南部のサバンナや半砂漠地帯に散在しています。オグロヌーといえば集団で大移動をするイメージですが、その数はなんと約130万頭といわれています。彼らは毎年7月から9月下旬にかけてタンザニアから時計回りに円を描くようにケニアへ移動し、再びタンザニアへ戻ります。の距離はなんと2800キロで陸上移動では地球最大規模です。

毎年2月になると、オグロヌーはタンザニアのセレンゲティ国立公園の南端に集まり、北上する前に腹ごしらえをします。そこで雌のヌーは出産をします。出産の数はなんと1日平均2万4000頭、毎年50万頭の子が生まれます。子は生後数分で歩き出すことができるため、出産後24時間以内に群れの一員として移動を始めます。

オグロヌーの群れに実はリーダーはおらず、本能で以前通った道を辿るそうです。なんといっても一回の移動で2800キロも歩くため、彼らは効率よく筋肉を使いエネルギーをなるべく消費しないようにしています。また最長5日間、水を飲まずに走り続けることができるということです。

ヌーの生態系の役割とは?

オグロヌー群れによく混じっている動物といえば、シマウマの姿が浮かぶのではないでしょうか?
なぜ、シマウマがヌーにひっついて一緒に移動をするのか分かりますか?

それにはもちろん理由はあります。

シマウマの天敵となる動物といえばライオンやヒョウ、チーター、ハイエナなどが挙げられますが、彼らにとってヌーはシマウマよりも好みの獲物なのです。ですから、捕食動物が近くに潜んでいる時は、シマウマはヌーにひっついて一緒に移動をすることで自らの命を守っているのです。

画像引用元:https://pin.it/2P1KJwG

また、タンザニアでは採餌中のヌーのそばに、アマサギたちが集まってきます。彼らはヌーの周囲を飛び回り、背中に乗ったりしています。それは、アマサギたちがヌーが土を蹴り上げる際に出現する昆虫を狙っているからなのです。

このようにヌーの群れは生態系を丸ごと引き連れて移動をするということです。


前頭でもお伝えしましたが、ヌーの大移動といえば群れが川を渡っていく場面がとても印象的です。
毎年多くの観光客がその光景を目にするために訪れます。その川は、マラ川と呼ばれタンザニアとケニアの国境にあたる川になります。国境を超えるため、ヌーたちはその川を渡ることになるわけですが、そこが彼らの最大の難関門であるといわれています。

引用元:PexelsAntony Trivetによる写真

私も驚いたのですが、なんと1日で約6000頭から9000頭のヌーがこの川で命を落とすそうなのです。重さにすると平均約1100トンにもなるそうです。命を落とすヌーのほとんどは溺死によって死んでしまいます。そして、その死体がワニやコシジロハゲワシのご馳走となり彼らの栄養分となります。

またその大量溺死が、マラ川の貴重な栄養源になっていることが学術誌「米国科学アカデミー紀要」によって発表されました。溺死したヌーの死体は川の中で腐敗をすることで、河川の重要な栄養源になっているそうなのです。

ヌーの骨は完全に分解するのに約7年間かかるため、その過程で死体は植物や動物の成長に欠かせないリンを放出します。また、骨の表面はバイオフィルムと呼ばれる微生物の膜で覆われ、川の餌となるそうなのです。

そのようなことから、ヌーは「大量溺死の遺産」であると研究者の間では呼ばれているそうです。

参考文献:National Geographic「ヌーの大量溺死が川を育んでいた、研究発表」より

また、ヌーの群れが草を採餌することによって草丈が短く保たれ、火災が抑えられるうえ樹木が育ちやすい環境を作り出しています。樹木が増えれば土壌も整い、昆虫や鳥が増えます。

またヌーが移動した先で落とす糞は土壌の質を良い状態に保ち、ヌー以外の他の草食動物が食べる食物を増やすそうなのです。

このようなことからヌーはキーストーン種*であり、アフリカに生息する他の野生動植物にとって非常に重要な存在なのです。

*生態系において比較的少ない生物量でありながらも、生態系へ大きな影響を与える生物種を指す生態学用語。(wikipediaより引用)

人間活動のせいでヌーは減少傾向にある?

そんなヌーですが、実は現在は人間活動によって減少傾向にあるそうなのです...!

もちろん、それには地球温暖化等の気候変動によるものが第一にあげられると思います。

他にも、ケニアの首都、ナイロビの拡大や人間が家畜するためにフェンスで囲った農地の拡大をすることによって、ヌーの移動経路が狭まっているそうなのです。また鉄道網の拡張も影響を及ぼしているそうです。

セレンゲティも同様で、農場が水をどんどん汲みあげることにより砂漠化が進み彼らの主食である草が減少しています。

このように、農地や牧場などの開発によって彼らの生息地が分断されています。

また、急激な家畜の増加から1980年代には牛から広がった牛疫ウイルスによってヌーが26万頭にまで減少したこともあります。

このような著しい人間活動によって、ヌーの生息数は減少傾向にあるのです。

ヌーの数が減れば、ヌーを捕食するライオンなどの野生動物の数も減少します。

ヌーの移動に多くの野生動植物が頼っています。ということは、それらの動物はヌーの減少によって多大な影響を受けることとなります。

これは生態系の崩壊に繋がります。

またケニア政府もヌーの移動を目的とする観光客に頼っていることから、ケニア経済の崩壊にも繋がりかねないのです。

まとめ

このように、ヌーの生態系は非常に重要な役割を果たしています。

生物多様性は私たち人間を含め、地球上に生息する全生命にとってかけがいのないものです。
一つ一つの生物にそれぞれの役割があり、その生物の生態に依存して生きている生物がほとんどです。

食物連鎖の枠にいるわけですから、個々の生物がそれぞれ生態系のバランスを保っているのです。

ヌーの大移動、私もぜひ自分でアフリカまで足を運び自分の目でその光景を見てみたいですね^^

※ナショナルジオグラフィック日本版で特集をされていた「思いがけない真の王者」をもとに紹介させていただきました。

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